サムスン電子のモバイル決済サービス「Samsung Pay」は5月20日、中国最大のモバイル決済プラットフォーム「Alipay(支付宝)」との戦略提携を発表した。ユーザーは同社のスマートフォンに搭載されているSamsung Payから、AliPayのQRコード読み取り画面を呼び出し、モバイル決済ができる。今回の提携で、クレジットカードやデビットカードの登録による既存のモバイル決済に合わせ、AliPayQRコードによる決済を実現した。

 2011年5月、アリババグループの電子決済サービスAliPayをはじめとする27社のサードパーティが、決済サービスのライセンスを中国人民銀行から取得した。現在その数は、270社に拡大。中国人民銀行の報告書「2015年、決済システム全体運行状況」によると、15年の非銀行系によるオンライン決済件数は約821億件で前年同期比119.51%、取引金額は49兆元(約900兆円)にのぼるという。また、中国最大のインターネット調査会社iResearchの発表では、中国のサードパーティモバイル決済規模は、前年同期比69.7%増の10兆1713億元(約187兆円)と市場の成長は著しい。とくに、AliPayは、サードパーティモバイル決済市場の約7割を占めており、存在感が際立つ。


 中国のモバイル決済は、大きくQRコードとNFC(Near Field Communication)に分類される。モバイル決済市場シェア上位のAliPayとWeChat Payは、QRコードによる決済。Apple PayやSamsung Pay、Huawei Payは、トークン化やHCE(Host Card Emulation)などの新技術を利用したNFC対応スマートフォンを、リーダーにかざして、安全かつ便利に決済する方法だ。

Samsuang Pay、AliPay QRコードによる決済

 Samsung Payは、4億5000万人のアクティブユーザーや200以上の金融機関とのパートナー関係、60万の店舗など、中国最強のモバイル決済AliPayとのサービス融合で、消費者に同社スマートフォンの新たな付加価値をアピール。オンラインとオフラインで、より簡便にモバイル決済ができ、ユーザー満足度の向上につなげる。世界のスマートフォン激戦区中国で、サムスン電子が独自の優位性とユニークなサービス体系で、今の苦境から脱出できるか関心が集まる。(文/鄭麗花)