Coltテクノロジーサービス(日置健二社長)は、金融サービスに特化したネットワークサービスを拡充している。今回、新しく国内向けに投入したのは「Colt PrizmNet(コルト・プリズムネット)」で、FinTechの流れに合わせて増加する金融関連サービスをつなぐネットワーク・サービスだ。同サービスは、2015年9月に同社が本社を置く英国でサービスを始めたのに続いて、この5月から日本や米国など世界の主要市場で、順次サービスを本格化。価格帯は専用線ほど高価ではなく、インターネットVPNよりも格段にサービス品質が高い「エクストラネット」のカテゴリに属する。


 株式や為替、各種投資といった金融商品の取引は、専門的な知識が必要なことから機関投資家や専門業者が行うことがほとんどで、これら専門機関や業者の金融関連サービスを利用することで、幅広い顧客層が金融サービスを安全に利用できる仕組みになっている。Coltテクノロジーサービスは、データセンターやネットワークを手がけるベンダーだが、もともと安全性や低遅延が求められる金融分野に強いサービスを揃えている。今回のColt PrizmNetもその一環。同社グループのマーケットプリズムジャパンの香川英雄・セールスディレクターは、「エクストラネット方式によって安全性や低遅延、価格面で競争力を発揮できるサービス」と話す。

Coltグループのマーケットプリズムジャパンの香川英雄ディレクター(左)と
長井賢司ディレクター

 折しもFinTechの潮流に乗って多様な金融サービスを手がけるスタートアップ企業が増えており、これまでの限られたネットワーク内での金融取引の枠が広がりつつある。そうしたタイミングでリーズナブルなエクストラネット方式のPrizmNetを投入することで、「金融関連向けネットワークサービス領域で一段とシェアを伸ばしたい」(マーケットプリズムジャパンの長井賢司・ビジネスディベロップメントディレクター)と意気込んでいる。

 今回のような金融サービスに特化したネットワークやデータセンターを運用するうえで、重要になるのが「マグネット顧客」と呼ばれる吸引力ある顧客群だ。Coltテクノロジーサービスは世界およそ50か所の主要取引所を専用のネットワークで結んでおり、金融取引の専門機関や業者からみれば、Coltと接続すれば世界中の主要取引所に安全かつ迅速にアクセスできる。専門機関や業者が提供する金融サービス=コンテンツが増えれば増えるほど“マグネット”の力が強まり、これらコンテンツを利用する末端のユーザーも増える。PrizmNetは、こうした幅広いすそ野をカバーする金融サービス向けエクストラネットとして拡販につなげていく。(安藤章司)