シマンテック(日隈寛和社長)は、2016年度(17年3月期)の法人向けセキュリティ事業戦略を明らかにした。これまで「製品・サービスの機能単品に特化していた」(外村慶・専務執行役員)という姿勢を転換し、テクノロジーとオペレーションをバランスよく統合、調和させることで、顧客のセキュリティ機器の運用を簡素化し、インシデント発生時にスピーディな判断がとれるような製品・サービスの提供とパートナーシップの構築を目指す。

日隈寛和
社長
 今年1月にトップに就いた日隈社長は、日本と米国を比較し、「日本はセキュリティ専任者の数も少なければ、セキュリティ投資額も低い。また、セキュリティ機器の導入という点ではけっして米国に劣っていないが、最新の機器を有効活用できていない」と説明。そのうえで、「最新の技術を盛り込んだセキュリティ製品が必要なのは前提として、さらに適切なタイミングかつ適切な形で必要なセキュリティソリューションを組み込んだ仕組みを提供することで、米国とのギャップを埋めることができる」と主張する。

 そこでシマンテックでは、大きく「製品戦略」「サービス戦略」「新規パートナー戦略」の三つのカテゴリで、テクノロジーとオペレーションの融合に向けて動いていく。製品戦略においては、先述した製品機能単品に特化した姿勢を変え、クラウドを基軸に複数製品を統合していくことで製品間の連携を図り、インシデント発生時の判断のスピードを速めていく。実際に、この考え方にもとづいた製品として昨年12月、エンドポイント、ネットワーク、メールセキュリティを統合管理する「Advanced Threat Protection」を発表しているが、年内にも新たな製品を発表する計画だ。サービス戦略では、これまでユーザー自身でつなぎ合わせていた、インシデント発生前から後までの全フェーズを横断した統合サービスを提供。新規パートナー戦略では、「インシデントの発生時に顧客のビジネスレイヤを理解できる企業とのパートナーシップ」をさらに強化するといい、すでにアクセンチュアとの協業に動いているという。これらの戦略によって、顧客のセキュリティ対策の課題解決に注力していく方針だ。

外村 慶
専務執行役員
 また、米シマンテックが、米ブルーコートシステムズを46億5000万ドルで買収すると発表したことについて、外村専務は「ブルーコートはウェブセキュリティやアプライアンスに強く、とくにアプライアンスは当社より圧倒的に強い。ここがまさに補完し合えるところだ」と語る。(前田幸慧)