札幌市に本社を置く北海道大手のシステムインテグレータ(SIer)、HBA(伊藤尚樹社長)は、中規模企業で需要が高まっているクラウドに関する事業を強化している。自社データセンター(DC)を利用したソフトウェアサービスやシステム運用などのオプションサービス、業務システムのクラウド化などを主に推進。将来的には、パブリッククラウドの提供も視野に入れている。

写真左から渡辺副本部長と奥村部長

 同社は数年前から、クラウド時代の到来を予測し、マイクロソフトやヴイエムウェアのソフトを使い、既存システムを仮想化するソリューションを展開してきた。3年ほど前からは「Hi-Cloud」というブランド名のクラウドソリューションで、販売管理システム「Hi-Seller」や小売業トータルシステム「Hi-ReView」、Web-EDIシステム「Hi-PARKS」、クラウド型グループウェア「Hi-Office」などを揃えてきた。

 「Hi-BaaS」という遠隔地バックアップサービスは全国に複数拠点をもつ企業からの引き合いが増えている。Hi-Officeは、全国的に売れている市販の製品と異なり「カスタマイズし既存システムと業務連携することが可能だ」(渡辺登志行・情報システム本部副本部長)と、多業種向けに受託ソフトを開発してきた同社ならではのシステムを提供している。Hi-PARKSは、全国に300店舗以上を展開する大手小売りに導入されている。

 最近では、「システム要員の不足などが原因で、企業が自社開発したシステムをクラウド側で運用したり、自社に重要なシステムを置きながら、それ以外のシステムをクラウド側で運用するニーズが高まっている。システム案件の2割は、クラウドに関連したものだ」(奥村章・経営企画室部長)と、中規模で多拠点をもつユーザー企業からハイブリッドクラウドへの要望が増えているという。とくに、医療、金融などでそのニーズが高く、HBAではこの業種向けの営業を強化している。

 同社は今年度(2017年3月期)から、「HBAクラウド3.0」として、次の展開を検討中だ。1.0と2.0が仮想化やDCのIaaS事業などになり、3.0では、各種ソフトウェアのパブリッククラウドでの提供を模索中で、パブリック型で使うニーズがある業種をリサーチしている。奥村部長は「当社ならではのBPOやコロケーションなどのサービスを含めてワンストップで提供できるクラウドを展開したい」と話している。(谷畑良胤)