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CAC上海 金融・医薬業向けビジネスに新展開 売上高20%成長維持へ
2016/09/15 19:15
週刊BCN 2016年09月12日vol.1644掲載
副総経理
現在、CAC上海が金融業向けに新たに展開しているのは、「微信」上で稼働する業務システムの構築案件だ。中国では、企業による「微信」活用の機運が高まっており、CAC上海では、商品検索や紹介、契約、決済などの機能を提供するBtoCシステムの構築を主に展開。すでに、ローカルの保険会社から受注しており、小峰副総経理は、「盛り上がりをみせている」と好感触を明かす。一般的にローカル案件では、低価格でサービスを提供できる地場ベンダーが優位に立ちやすいが、同案件では、従業員数2万人を有する地場大手SIerを押さえてCAC上海が受注した。この理由について小峰副総経理は、「地場ベンダーは数が多いうえに、技術力も伸びているが、テスト品質やカスタマイズの柔軟性など、日系ベンダーの技術標準と比べてまだ劣っているところもある。中国企業のITへの品質要求のレベルも上がってきており、日系の優位性を生かせる案件は残されている」と語る。
今後は、「微信」関連の案件を蓄積し、一定のノウハウがたまった段階で製品化に踏み切る構想だ。中国独特のニーズを吸収したうえで製品化するソリューションとなれば、日系企業の実績をベースに開発するよりも、よりローカル企業に受け入れられやすい。
一方で、ここ数年力を注いできた医薬業向けビジネスは好調だ。日系を含む外資系企業を主なターゲットとしているが、「IT投資に意欲的で、新規契約が安定的に増えている」(小峰副総経理)という。中国の医薬市場は、急速な高齢化の進展、医療保険加入者の増加、外来・入院患者の増加などによって堅調に成長しており、調査会社シード・プランニングによると、2015年の中国上場医薬品企業127社の総売上高は前年度比8.5%増の7兆1757億円と、10年比で約2倍に拡大した。CAC上海の医薬業向けの専門部隊は、すでに15人程度の組織に発展しており、小峰副総経理は「中国の医薬市場は今後の伸びしろが大きい」とみて、さらに体制強化を図る意向を示している。同社の売上高構成比では、現在、金融業が約70%、医薬業が約20%、その他が約10%となっているが、今後数年間で医薬業の売上高を金融業と同規模に成長させる方針だ。
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