【北京発】Amazon Web Services(AWS)は9月7~8日、北京で年次最大のプライベートイベント「AWS技術峰会(AWS Summit beijing)2016」を開催した。基調講演や約100項目に及ぶセミナー、ソリューション展示を通じて、AWSの最新動向やユーザー事例などを紹介。8月に中国の通信規制に適合するかたちでサービスの提供が開始されたことから、市場関係者の注目は高く、2日間で約1万人が参加したもようだ。(真鍋 武)

容永康
大中華区執行董事
 イベントの冒頭、AWSの容永康・大中華区執行董事が基調講演し、「中国市場に参入した時点で17社だったパートナー数は、今年6月までに700社を超えた。今後1年間、さらにパートナー開拓に力を入れる」と進捗状況を紹介した。AWSは2014年に「北京リージョン」の提供を開始。今年6月には、クラウド人材の育成に関して中国教育部と提携したほか、上海や重慶にインキュベーションセンターを設けるなど、エコシステム構築に向けた取り組みを精力的に進めている。さらに、寧夏省に新たなデータセンター(DC)を建設中で、16年内にはサービスの提供を開始する見込みだ。

 また、容・大中華区執行董事は、8月1日に発表した地場DC事業者の北京光環新網科技(光環新網=Sinnet)との新たな提携について、「中国のICP規制に完全に一致する運営モデルに転換した」と強調した。これまで両者の提携では、北京リージョンの展開についてサーバーはAWS、DCは光環新網と運営主体が分かれており、中国の通信規制のグレーゾーンをかいくぐってサービスを提供していた。そこで新たな提携では、光環新網がサーバーとDCの運営・提供を一手に担い、AWSは後方で技術支援を担当するモデルに転換。北京リージョンは「AWS operated by Sinnet」として提供され、ユーザーの契約先も光環新網に一本化された。

 続いて登壇した光環新網の耿殿根董事長は、「AWSの運営主体として、一貫してユーザーに高質なサービスを提供していく」と表明。1999年設立の同社は現在、北京や上海に8つの大規模DCを保有しており、AWSを含め今後3年間で5万ラック以上の収容力を提供していく方針という。

 調査会社IDCの「2015年中国パブリッククラウドコンピューティング報告」によると、15年の中国IaaS市場でAWSのシェアは4.3%と6位に甘んじている。サービス開始が14年と、地場大手ベンダーと比べて後発だったことや、グレーゾーンの枠組みで提供してきたことがその要因だ。北京リージョンで提供しているサービス内容も、米国と比べ3分の1程度に限られていたが、今回の新提携を受けて、サービス拡充が進む見込みだ。