TIS(桑野徹社長)は、今後の伸びが見込まれる「プリペイド決済」のサービスプラットフォームの拡充に力を入れている。国内のみならず海外でもプリペイド決済プラットフォームを展開できるよう、決済サービスプラットフォームを手がける米i2cとの協業を一段と深めていく。TISでは、与信審査が必要なく、さまざまな事業者が手軽に導入でき、なおかつ海外展開やネット通販などでの自由度の高い「プリペイド決済サービスに対する需要が高まっている」(西田光志・代表取締役副社長執行役員)とし、プリペイド方式の決済サービスプラットフォームの売り込みを加速させる。

 国内の非現金系の決済ではクレジットカード、デビッドカード、電鉄系や大手スーパー/コンビニ系の電子マネーなどがメジャーだが、クレジットは与信の制約があり、デビッドカードは銀行口座との紐づけが必須、電子マネーはクレジットカードほどの自由度がないなど一長一短がある。

 この点、プリペイドは大手クレジットカードや銀行に依存することなく、事業者が自前のシステムとして導入でき、規模の大きいものから、地域の小規模なチェーン店に至るまで、ニーズに応じて自在にカスタマイズできる点が魅力だ。また、VISAやMasterといった国際ブランドと連携させれば、世界中の国際ブランド加盟店でプリペイドカードを使うことも可能となる。電子決済研究所の調べによれば、国内プリペイドカード決済市場は、2015年の約8兆円から2020年には16兆円規模へと倍増する見込みであるなど伸び率が大きい。

 TISでは、市場拡大を見越してサービス(SaaS)方式でもプリペイド決済のプラットフォームを提供するとともに、世界200あまりの国・地域で国際的な決済プラットフォームサービスを手がける米i2cとの協業も一段と深めていく。i2cのアーマー・ワインCEOは「非常に自由度の高いプリペイド決済プラットフォームは、事業者にとってある種の業務アプリケーションのような存在になる」と、SaaS式の業務アプリを導入する気軽さで利用できるようにすると話す。

写真左から西田光志副社長と米i2cのアーマー・ワインCEO

 TISやi2cの決済プラットフォームを活用すれば、自前でシステムを抱えることなく導入できるばかりか、例えば、最初は小規模に導入して、徐々に拡大させるといった柔軟性をもたせることが可能だ。米国では、進学した子どもへの仕送りや、国や自治体からの公的な給付金、流通・小売りのマーケティングなど「幅広い用途でプリペイド決済の採用機運が高まっている」と、i2cのワインCEOは手応えを感じている。

 TISでは、同社が独自に開発している決済プラットフォーム群「PAYCIERGE(ペイシェルジュ)」の有力サービスとしてプリペイドを位置づけるとともに、i2cが提供する各種決済サービスもこのなかに採り入れていく。国内の地域経済の活性化にプリペイド決済サービスを積極的に活用するとともに、TISが重視しているタイやインドネシアといったASEAN成長市場への展開も進めていく。こうした取り組みによって2020年までに国内外で累計50案件、関連する売上規模10~20億円規模に伸ばしていく方針を示している。(安藤章司)