【米オースティン発】米デルテクノロジーズのプライベートイベント「Dell EMC World 2016」が、米テキサス州のオースティンで18日(現地時間)、開幕した。米デルの米EMC買収により誕生したデルテクノロジーズ、さらにはデルの法人向け事業とEMC本体を統合したDell EMCブランドの正式なお披露目の場となったかたちだ。19日午前中の基調講演に登壇したマイケル・デル会長兼CEOは、時折“感無量”といった様子をみせ、EMCの買収完了までの道のりが平坦なものではなかったことをうかがわせつつ、「世界一のプライベートITカンパニーとして、あらゆる市場セグメントでナンバーワンを取る」と、デルテクノロジーズの新たな船出を宣言した。Dell EMC World 2016の詳細については、週刊BCN紙面に掲載する。

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基調講演でデルテクノロジーズの新たな船出を宣言したマイケル・デル会長兼CEO

 「第1回目のDell EMC Worldにようこそ」。この第一声で、デル会長兼CEOの基調講演はスタートした。32年前のデル創業からの道のりと、IT市場のトレンドの変遷を振り返り、デルが「テクノロジーの民主化を進めてきた」と、市場で果たしてきた役割を自己評価した。さらに、現在を「デジタルによる第3の産業革命(米国ではインダストリー4.0とほぼ同義で使われている)の時代を迎えている」と定義。多くのイノベーションが生まれる可能性が高まる一方で、多くの企業は、デジタルトランスフォーメーションへの準備が十分ではなく、デジタルネイティブな新興企業の台頭などにより、自らの事業の継続性に不安を抱えていると指摘し、「顧客にとって最も信頼でき、一緒にデジタルの将来を構築していくパートナーになるテクノロジー企業が必要。だからこそ、デルテクノロジーズという会社をつくった」と強調した。

 デル会長兼CEOは、同社が市場のデジタル化ニーズに応えられる存在であることの根拠として、デルテクノロジーズに集結した製品・サービスポートフォリオが、米ガートナーのマジッククアドラントの20部門で市場のリーダーとしての評価を獲得していることや、R&Dに毎年45億ドルを投資していることを説明。「一言でいえば、デルテクノロジーズは、次の産業革命に備えるための非常に重要なインフラを提供できる、信頼できる(テクノロジー、ソリューションの)プロバイダ。多くの製品分野でトップに立つ会社として、デジタル産業革命を牽引していかなければならないと自負している」とコメントした。

 また、デルテクノロジーズは今回のDell EMC World 2016に合わせて、複数の新製品・サービスを発表した。一例をあげると、旧EMC本体とデルテクノロジーズ傘下で独立企業として事業を継続する米ヴイエムウェアのテクノロジーを融合したハイパーコンバージドインフラストラクチャ製品「VxRail」のアプライアンスに、デルの「PowerEdge」サーバーを搭載したモデルをラインアップすることを明らかにした。デル会長兼CEOはこれを、デルとEMCの統合の製品戦略や技術面での成果の象徴として、基調講演で自ら紹介した。「デルとEMCの合併が最終的に決まったのはわずか6週間前のこと。デルとEMC、ヴイエムウェアのイノベーションを結集した世界一流の製品が登場する。われわれによって、ITの民主化を実現するテクノロジーが登場するということになる。データセンターの将来を担う製品だ」と、力を込めた。

 ちなみに、Dell EMC World 2016で発表された新製品・サービスは、約8割がEMC関連のものだった。さらに、約8000人の参加者中、70%が初参加と、昨年までのDell Worldとは趣の違いが感じられるイベントになったという印象だ。旧EMCや同社傘下だった企業のユーザーやパートナーも多数参加していて、日本からも、デル、EMCジャパン双方のユーザー、パートナーがこれまでにない規模でオースティンを訪れている。(本多和幸)