コンピュータソフトウェア協会(CSAJ、荻原紀男会長=豆蔵ホールディングス社長)は11月8日、ITベンダーとビジネスパートナーの出会いを実現するマッチングイベント「第120回アライアンスビジネス交流会」を都内で開催した。今回登壇したのは、使えるねっと、エバ電子、ナビット、ワコムの4社。会場には、会員、非会員のIT事業者や自治体関係者ら約50人が参加し、各社は製品・サービスを紹介した。

 最初に登壇したのは、長野県長野市に本社を置くクラウドサービスベンダーの使えるねっと。パートナー事業部の篠田知範パートナー本部長が、「初期設備投資不要!最短2週間でサービスイン!クラウドバックアップを御社オリジナルサービスに!」と題し、自社製品・サービスを紹介した。
 
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使えるねっとの篠田知範本部長

 使えるねっとは、クラウド型のアクロニスバックアップをOEMで提供する「使えるCloudBackup」を説明した。篠田本部長は「データセンター事業者の当社がなぜバックアップを主力にするのかというと、ニーズが高く解約率が低いためだ。ランサムウェアなどの脅威を受けて利用が増えている」と、簡単設計で迅速に復旧できるなどの機能が評価され、同社のクラウド型イメージバックアップの需要が高まっているという。

 サービスは、自社データセンター(長野)で運用している。「多くのバックアップサービスは、他社のデータセンターを使っているが、当社は自社で運用している。他社のデータセンターだと、万が一、トラブルが起こると応対に時間がかかる。他社に比べ販売価格が10分の1と安く、運用が簡単だ」(篠田本部長)と、セキュリティや運用に不安があり、コスト面で問題を抱える中小企業にも導入できると優位性を訴えた。現在、OEM供給先として8社でサービスが始まっている。

 次に登壇した神奈川県藤沢市のエバ電子は、西村知範社長が「環境復元ソフトウェア HDD KEEPER 9 Business Editionのご紹介」と題し、ファイル削除や設定変更がパソコンの再起動だけで、素早く復元可能なWindows環境用の復元ソフトを紹介した。このソフトは「学校や図書館で多く使われている。今後、一般企業でも拡販したい。キオスク端末やタッチパネルなど公共端末に使われるケースが増えている」(西村社長)と、販売会社とのアライアンスを求めた。
 
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エバ電子の西村知範社長

 「HDD KEEPER 9 Business Edition」は、1998年のWindows98の時代から、韓国で販売していた製品を日本語化して国内市場に提供している。韓国では、インターネットカフェのような不特定多数の人が使うパソコンの環境で利用されている。キャッチフレーズは「再起動で一発解決」。ドキュメントやさまざまな設定をパソコンを再起動するだけで、環境を復元できるという特徴がある。

 具体的な機能としては、「自動復旧モード」と、管理者が再起動する時に復旧する「手動モード」がある。ネットワーク環境が無くても、復元が可能だ。西村社長は「パソコンなどの端末を販売する際のサポートメニューとして一緒に販売してほしい」と、販売協力を求めた。

 ナビットは、馬場健常務取締役が「『最強のアタックリスト』の活用で営業活動を最も効率化する方法」と題し、事例を含めてサービスを紹介した。同社は、地下鉄乗り換えのポスターの版権を持っているほか、駅のナビゲーションなどデータベースを作成している。全国に5万8100人の主婦ネットワークなど在宅ワーカーを抱えており、デジタルデータの収集と作成を行い、カーナビや検索エンジンを提供する会社と取引している。
 
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ナビットの馬場健常務取締役

 また、同社は法人データ(全国約680万件)の50日ごとに更新するデータベースを持っている。馬場常務取締役は「法人データは、全件、緯度経度などの情報があり、GISソリューションなどで利用が可能だ」と、多くのサービス会社がデータを活用しているという。このなかには、「オープン君」というデータベースがある。新しく開店した店舗などの情報を含むことから、「実際には、アタックリストとして使われている」(同)と話す。

 馬場常務取締役は「スタークラウドという会社では、『新規営業ビルダー』というサービスで、アタックリストを提供している。電話番号データから当社の事業が始まり、複数のサービスを展開している。当社のホームページで、販売代理店を募集している」と訴えた。

 最後にワコムの岸田茂晴バイスプレジデントが、「インクデータを活用してバックオフィス業務を効率化~ワコムインクの入力デバイス及びソフトウェア」と題し、クレジット決済を行う際に使う筆跡を、動的データとして照合できるインクデータで署名(デジタルサイン)するサービスと、紙に書いたものをデジタルデータにするソリューションについて紹介した。
 
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ワコムの岸田茂晴バイスプレジデント(右)

 前者のデジタルサインは、欧州で多く使われている。サインを取れるデバイスとしては、STUシリーズやDTUシリーズなどがある。「例えば、手術する際にインフォームドコンセンサスでサインする際に証拠として残すペン搭載携帯デバイスなどがある」(岸田バイスプレジデント)と特徴的なデバイスやサイン照合技術を示した。

 一方、後者はオフィスをペーパレスにする新しいソリューションだ。「オフィスでは、紙のオペレーションを変えることに難色を示している。紙を無くすことが適切な手段でなく、従来、紙で行ってきたプロセスをデジタルインクでリアルタイムに入力情報を送信することで、スピードとコスト削減、バックオフィス業務を効率化できる」(岸田バイスプレジデント)と、プロトタイプでデモを交えて説明。共同でサービスを開発するベンダーを求めた。