オラクルは11月9日、年次イベント「2016甲骨文云大会・上海」を開催し、テンセントとのクラウド事業での提携について進捗を発表した。2017年内には中国国内のデータセンター(DC)を開設して、正式なクラウドサービスの提供を始める見込み。(真鍋 武)

主催者発表によれば約1万人が参加した「2016甲骨文云大会・上海」

 両社は、昨年11月の同大会で最初の提携を発表。オラクルのSaaS、PaaS、IaaSを含むクラウドの全ポートフォリオの中国展開にあたって、テンセント傘下のクラウド部門「騰訊雲」と協力するとした。オラクルがクラウドのコア技術と技術支援を提供し、騰訊雲は中国国内でのサービス運営を担当する枠組みだ。オラクルは現在、中国外のDCからクラウドサービスを提供している。

 今回、9月に改めて提携協議を行い、クラウド事業での協力を徹底することで合意したと明かした。オラクルのクラウド商材を単に中国市場で提供するだけでなく、テンセントの社交網絡(SNS)部門と連携し、「QQ」「微信(Wechat)」などと組み合わせたクラウドソリューションを提供するという。

 ただし、提携の詳細については明らかにしていない。オラクルの李翰璋・中国区董事総経理は、「細部について準備を進めている。サーバールームの準備、設備の準備、人員の募集、人員のトレーニングなど、全面的に展開している」と説明するにとどまった。記者の質問に対しても期日までに明確な回答はなかった。

 すでに最初の提携開始から1年が経過。オラクルのクラウド事業の中国展開には時間がかかっており、サービス開始後も後発としての競争を強いられることは明白だ。出遅れ感があるなか、市場を席巻する阿里雲(Alibaba Cloud)などの中国勢に対抗するには、騰訊雲といかに強みを組み合わせるかがカギとなる。