パラレルス(下村慶一代表取締役)は、「インターネット接続分離」の情報セキュリティ需要の高まりに対応する「Remote Application Server(リモートアプリケーションサーバー)」の販売に力を入れている。同製品はWindowsのデスクトップやアプリケーションをさまざまな端末に配信するクライアント仮想化ソフト。仮想化したブラウザによってインターネット接続分離を行う用途などで採用が進んでいる。

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下村慶一
代表取締役

 インターネット接続分離は、ウイルスや不正侵入の入り口となりやすいインターネット接続を業務用端末から分離するセキュリティ方式で、自治体や金融機関などで導入が進んでいる。業務用とインターネット接続のパソコンを二台用意するのはコストや使い勝手の面で問題が多いため、ネット接続用のクライアントパソコンを仮想化し、ネット閲覧に使うブラウザやメールアプリのみを業務用端末に配信する方式によって、解決する動きが増えている。

 クライアント仮想化によってデスクトップやアプリを配信するソフトは、すでに大手ソフト会社が製品化している。そのなかでパラレルスは、使い勝手のよさやコスト優位性を前面に押し出すことで「欧米市場では他社からの乗り換え、国内ではネット分離の需要増」(下村代表取締役)が後押しするかたちで販売数を増やしている。国内における2016年のRemote Application Serverの販売数は前年比で2.5倍に増えており、「今年も同様の伸びを見込んでいる」(同)と鼻息が荒い。

 クライアント仮想化の主な用途は、(1)パソコン用のアプリをタブレット端末やスマートフォンで閲覧する「モバイル対応」、(2)古いバージョンのブラウザやOSにしか対応していない業務アプリを最新のパソコンやスマートデバイスで使う「IT資産の有効活用」、(3)在宅勤務などの「働き方改革」、そして、国内でニーズが高まっている(4)インターネット分離といった「セキュリティ」。

 国内では、(4)のセキュリティ需要が大きく、次にIT資産の有効活用やモバイル対応が続く。クライアント仮想化は、デスクトップやアプリの配信先にデータを残さない仕組みであるため、「今後、働き方改革の進展によって、在宅勤務などに応用する動きが加速する可能性がある」(下村代表取締役)と指摘。自宅や出先で仕事をしても、重要なデータは会社が管理するクライアントのなかに格納されているため、情報漏えいの防止効果が高い特性が有利に働くとみている。

 国内においても大手ユーザー企業を中心にクライアント仮想化は進展しているが、技術革新や競争原理によって中小規模のユーザーでも導入できる使い勝手のよさや価格水準になりつつある。パラレルスはこうした流れに乗ることでシェアを一段と高めていく方針だ。(安藤章司)