日立製作所(東原敏昭社長)は、運用管理ツールの最新バージョン「JP1 V11.1」の提供を開始した。昨年、3年ぶりのメジャーバージョンアップによって生まれ変わった「JP1 Version 11」だが、今回の最新版では、企業の「デジタルビジネスを支えるJP1」に重点を置き、機能強化を行っている。

まず、JP1の中核製品であるジョブ管理「JP1/Automatic Job Management System 3」を強化。ウェブコンソール画面上で、新たにガントチャートの表示が可能になり、業務の進捗状況や遅延の有無などを可視化。過去の実績との比較も容易になった。ほかにも、外部サービスと連携する「REST API」の対応範囲を拡充。サーバーリソース増強への対応も強化し、エージェントの増加を自動的に認識して、ジョブの定義を修正することなく、全エージェントでジョブを同時に実行できるように
なった。

 また、システム障害発生時の原因を分析する「JP1/Operations Analytics」の強化も実施。サーバーやストレージ、ネットワークなどに加えて、新たにジョブ実行基盤やデータベースといったミドルウェアの構成も把握できるようになったことで、システム全体の健全性把握や、障害発生時における迅速な対応を支援している。

 さらに、業務システム運用の最適化を図るため、新たに「運用最適化ソリューション」を提供する。これは、定型業務の運用プロセスの標準化や自動化によって運用を最適化、顧客の運用担当者の業務負荷や人的ミスの低減を図る。また、システム運用部門の継続的な業務改善をサポートするため、利用部門からの要求件数、作業遅延の有無、期限の順守率など、設定した運用に関するKPIを可視化するポータル画面を用意した。なお、同ソリューションの実行基盤としては、昨年7月に協業を発表したServiceNow Japanが提供するITサービス管理のクラウドサービス「ServiceNow」を活用している。
 
201702141907_1.jpg

加藤恵理
IT基盤ソリューション本部
基盤インテグレーション部/
JP1ビジネス推進センタ
主任技師

 日立製作所の加藤恵理・IT基盤ソリューション本部基盤インテグレーション部/JP1ビジネス推進センタ主任技師は、今回のバージョンアップの背景について、「企業が顧客のニーズにすばやく対応するには、エンドユーザーに提供するサービスや、サービスを支える業務システムも変わっていく必要がある」と説明。テクノロジーが発達し、デジタルデータの重要性が高まるなか、「(とくに)IoTでは、さまざまなシステムが連携することで、新しい価値が生まれる。それが世の中の仕組みを変えることにつながっている」と加藤主任技師。そのなかで、デジタル技術を活用してイノベーションを創出する新興企業が台頭。既存企業はこうした企業とどう戦うかという課題に直面していると指摘し、既存企業が変化を強いられていると話す。

そして、今回の最新版で「デジタルビジネスを支える運用管理へと進化した」と語る加藤主任技師。次期JP1の構想についても言及し、「IT×OTの運用最適化」「機械学習やビッグデータ技術の適用による障害対処の高度化・自動化」などの考えを明らかにした。(前田幸慧)