京都府(山田啓二知事)とアリババグループ(張勇CEO)は、アリババグループが提供するプラットフォームを通じて京都の文化発信や経済活性化につなげる「連携・協力に関する協定」を結んだ。アリババグループのECサイトなどウェブサービスを使って、中国人に対して京都の産品を販売したり、京都の魅力をアピールする。アリババグループが日本の地方自治体と連携協定を結ぶのは今回が初となる。(佐相彰彦)

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アリババグループの張勇CEO(写真左)と京都府の山田啓二知事

 今回の「連携・協力に関する協定」によって京都府とアリババグループは、京都の文化を発信すること、京都の産品を中国で販売促進すること、中国から京都府内への観光誘客を促進することなどで協力していく。期限は2018年3月31日まで。ただ、期限が満了する前の2か月前までに、両者のいずれかの申し出がなければ、さらに1年を更新し、その後も、同様に申し出がなければ期限が延長されることになる。
 
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 このような協定を結んだ理由について、アリババグループの張CEOは「京都は1000年以上の長い歴史をもつ。アリババグループが99年の設立とまだ若い会社という点で、京都との連携には学ぶことが多く、非常に価値の高いことである」としている。一方の京都府の山田知事は、「アリババグループは世界最大規模のECサイトをもっている。京都の文化を世界に広めていくためには、アリババグループとの連携が欠かせない」と判断したという。

 この協定による具体的な連携については、伝統工芸品を含む京都の産品をアリババグループの越境ECサイト「天猫国際(Tmall Global)」で販売したり、アリババグループの旅行サービス「フリギー(Fliggy)」を通じて、中国人の京都への観光を促したりする。販売や観光のどちらに関しても、単にサイトで産品やツアーを掲載するだけでなく、京都の魅力をアピールした動画の活用など、ユーザーが産品の購入やツアーへの参加に興味がわく仕組みを構築することにしている。
 
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アリババグループの「天猫国際」で京都の産品を販売

 現在、中国人によるサイトを通じた商品の購入や観光の申し込みは、「自分ならではのオリジナルな商品を求めるようになってきた。観光についても、団体旅行から個人旅行へとニーズが変化しつつある」(張CEO)。アリババグループにとっては、オリジナル性の高い「京都」というブランドを積極的にアピールすることで、競合サイトとの差異化につながるわけだ。

 京都の産品は「大量生産ではなく中小企業が手間をかけてつくりあげるものが多い」(山田知事)ため、京都を本拠地とした中小企業を支援することが京都府側の狙いだ。また、山田知事は「体験型観光で京都を味わってもらえれば、『また訪れたい』と観光客が必ず意識する」と断言する。

 今後、両者がそれぞれ人材を出してプロジェクトチームを結成。そのチームを通じて商品やサービスを選定していく。今春をめどに、本格展開がスタートすることになりそうだ。