コンピュータ上で行う入力や転記といった定型業務をソフトウェアのロボットが代行するRPA(ロボティックプロセスオートメーション)。そのソフトウェアの開発提供やコンサルティングなどを手がけるRPAテクノロジーズ(大角暢之社長)は3月22日、都内で事業戦略発表会を開催した。「2016年はRPA元年」であると語る大角社長は、長年RPAに携わって得た知見から、全国規模で急速にRPAが広まる一方で、普及の阻害要因となる「短期的に解決すべき課題がある」と指摘する。それを解決する方策として、最短1か月でRPAを導入可能なパッケージ「Digital Labor Platform」の提供、ならびにRPAエンジニアの育成・派遣やRPAの保守運用を担う新会社として「RPAエンジニアリング」を設立したと発表。RPAの導入、運用にあたる課題を緩和し、RPA普及を促進する。

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大角暢之社長(右)と大石純司CTO

 Digital Labor Platformは、RPAの動作検証、ロボットの作成・試行、運用、検証・評価までの一連のフローを最短1か月で体感することができるパッケージ。RPAソフトウェアは、従来提供していた「Basic Robo!」「Scan Robo!」に加え、「blueprism」「NICE」「openspan」といった主要製品を「BizRobo! Station」と呼ぶプラットフォームにラインアップしており、業務に応じて最適なソフトウェアを利用することができる。また、教育・研修も行い、業務変化やトラブル対処の体制づくりをサポートする。Digital Labor Platform提供の背景について大角社長は、「全国でRPAのPoCが広がっているが、その導入アプローチが(長い期間を要する)従来型システムやBPRの視点で行われていることから、成功確率が低い。また、ツールの選定ブームが起こっているが、本質的には誕生するロボットに価値があるため、ツールの比較選定が困難になっている」ことにあると説明。そこで、早期にRPAを導入し、RPAのよさ、悪さを体感してもらうことに力点を置いている。

 また、新会社としてRPAエンジニアリングを今年2月24日に設立した。RPAテクノロジーズのCTOである大石純司氏が社長に就任している。同社はRPA市場の拡大とそれに伴うRPAエンジニアの不足、顧客のRPA運用課題を背景に、顧客のRPA活用を支援する目的に活動する。具体的には、ソフトウェアの選定やロボットの作成、保守運用、エンジニアの育成・派遣などを行っていくという。大石CTOは、ユーザーのRPAに対する誤解の一つに「導入が終わればうまくいく」という認識があるといい、実際に「RPAの導入に労力を使ってしまい、変わらないことを前提に保守していくことで、業務フローの変更など、些細な変化にも対応できなくなり、結局RPAを使わなくなったというケースもよくある」と話す。そこで、RPAは保守運用が重要であり、専門集団として顧客のRPA運用を技術面、人材面から支援していく。また、将来的には日本型RPAの海外へ向けた発信を行っていく考えを示している。(前田幸慧)