米ウインドリバー(ジム・ダグラス・プレジデント)は3月24日、産業用のソフトウェアプラットフォームの新製品「Wind River Titanium Control」を発表した。重要インフラ企業の古い制御システムを低コストで仮想化し、「インダストリアルIoT」(IIoT)の加速を狙う。

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Wind River Titanium Controlの提供先となる16セクター

プラットフォームは、オープンスタンダードをベースにしたオンプレミス型のクラウド基盤で、同社の仮想化製品「Wind River Titanium Cloud」ポートフォリオの一つ。パフォーマンスと可用性に力を入れたことが主な特徴だ。
 
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Wind River Titanium Controlの概要

 具体的には、重要インフラ業界の厳しい要求を満たすため、仮想サーバーが通信するスイッチを超高速化したり、問題なく機械の制御ができるように割り込み処理の遅延時間を短くしたりした。年単位の安定運用が可能で、部分的に導入し、徐々に導入範囲を広げていくことができる。

 同社によると、従来の産業用制御システムは、大半が柔軟性がなく、実装やメンテナンスなどに高い費用がかかっていた。コストを維持または削減しながら技術革新を起こすためには、新たなシステムが必要と分析し、新製品の投入を決めたという。

 プラットフォームの提供対象は、電気通信や精密製造、化学、エネルギー、防衛など、米国の定義で重要インフラになっている16セクターを想定。同社は、サーバーの仮想化によって、コストの削減や自由度の向上を実現してきたITの歴史を重要インフラ業界に持ち込むことで、新たな利益の創出が期待できるとしている。

 3月24日に都内で開催された説明会では、同社のインダストリアル担当ソリューションダイレクターを務めるリッキー・ワッツ氏が、海外から電話会議システムを通じて参加した。

 ワッツ氏は、「多くの産業では、さまざまな施設が寿命を迎えようとしている。施設を更新する際は、あまりコストがかからないタイプのプラットフォームに切り替えることが重要だ」と強調し、「Titanium Controlは、レガシー施設をもちながら、IoTを駆使した新しい施設をつくりだすことができる」と呼びかけた。

 一方で、「データの量は指数関数的に増えている。工場内で生成される膨大なデータを仮想化してクラウドに乗せて、機械学習やアナリティクスで加工して使いこなさないといけなくなっている」と述べ、IIoTの必要性を訴えた。(廣瀬秀平)