週刊BCNは8月25日、ITメーカーとIT販社をつなぐイベントイベント「BCN Conference 2017 夏」を東京のホテル雅叙園東京で開催した。識者によるデジタルトランスフォーメーションのトレンド解説のほか、デジタルトランスフォーメーションを支える最新の製品・サービスについて、主要ITベンダーが各セッションで解説した。

 冒頭、週刊BCN編集長の畔上文昭が挨拶。基調講演では、サイバー大学IT総合学部の勝眞一郎教授が登壇し、「デジタルトランスフォーメーションの現在と未来―デジタルは、わたしたちのビジネスをどう変えるのか―」と題して、デジタルトランスフォーメーションがビジネスにインパクトを与えていくのかについて、考えるヒントを紹介した。

 勝教授はまず、トランスフォーメーションについて「チェンジとは異なり、変質または変態、サナギが蝶になるように変わることだ。例えば、連絡手段では、これまではメールが一般的だったが、最近はメッセンジャー、そしてこれからはプロジェクト管理ツールが増えていく。まったく変わったようにみえるが、相手に、いつまでに何をしてほしいかを伝えるという本質は変わらない」と説明。

 そのうえで、ITベンダーは顧客に対して、「デジタルトランスフォーメーションがもたらすチャンスとリスクを踏まえ、最終的にどんな価値を提供するのかというソリューションの本質を追求していくべき」との見解を示した。

 今後のデジタルの世界では、データがより重要になっていく。「位置情報や画像認識の正確性がさらに上がり、位置情報ではこれまで1mの誤差が生じたものが1㎝の誤差へと精度が上がっていく」と話し、こうした正確な位置情報を、例えばロボット掃除機のルンバやドローンが集め、次のビジネスへつなげようとしている動きもあるとした。

 さらに、デジタルトランスフォーメーションの先進事例として、テスラの電気自動車や自動運転技術の開発、米アマゾンのスピーカー型音声アシスタント「Amazon Echo」のほか、国内での製造業、サービス業での取り組み事例なども紹介した。
 
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サイバー大学IT総合学部の勝眞一郎教授

 続いて、日本HPの九嶋俊一・執行役員パーソナルシステムズ事業本部長兼サービス・ソリューション事業本部長が「企業の生産性を高めるOffice of The Future~資産の遊休リソースを使いきる“現実的IoT”でスマートオフィス化を目指す試み~」をテーマに特別講演を行った。

 日本HPは、「製造の変革」「体験の変革」「ビジネスの変革」「サービスの変革」「労働の変革」の五つのトランスフォーメーションに取り組んでいる。なかでも労働の変革では、スマートフォンを軸にしたスマートオフィスを実現しようとしている。

 九嶋執行役員は「オフィス内のさまざまな電子機器、PCやプリンタはセンサを内蔵している。そこから取得したデータを、スマートフォンをハブに活用することもできる。HPとしても、そうした考え方のもと、スマートオフィスソリューションを展開し始めた」と説明。

 さらに、PCやプリンタなどをオフィスで運用する際の識別IDやセンサとしてスマートフォンを活用するソリューションを紹介した。そのほか、スマートオフィスに貢献する製品として、ビデオ会議を効率化する専用設計ハードウェアなども披露した。
 
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日本HPの九嶋俊一・執行役員パーソナルシステムズ事業本部長兼サービス・ソリューション事業本部長

 午前中から多くの来場者が集まり、基調講演と特別講演ともに300人超が参加。講演会場は最新動向を聞こうと、SIer、ISV、ディストリビュータ、リセラーなどの聴講者でごった返していた。BCNのイベントで、「ビジネス(B)」を「キャッチ(C)」する「夏(N)」にしてほしい。
 
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会場には多くの聴講者が集まった