ビジネスパートナー内の“シェア”拡大へ

 IBM系ディストリビュータのエヌアイシー・パートナーズ(NI+Cパートナーズ、春川文男社長)は、卸先であるビジネスパートナー内の“シェア”の拡大を重視している。IBMのソフトウェア製品を活用した提案を一段と強化し、パートナーのSIビジネスの売り上げを増やしてもらう。結果としてNI+Cパートナーズから仕入れる量が増えることでビジネスの成長を狙うものだ。国内IBMビジネスパートナーの母数がほぼ一定であるなか、限られたパイを奪い合うのではなく、「パイそのものを増やす」(春川社長)方針である。

 IBM系の商材の多くは、VAD(付加価値ディストリビュータ)と呼ばれる独自の流通網を通しているが、近年ではIBM自身のハードウェア商材の伸びに限りがあり、VAD各社の売り上げも伸び悩む傾向にある。VADの1社であるNI+Cパートナーズも同様の情況にあるが、ハード系の商材が伸び悩む部分をIBMのソフトウェア商材で補完し、売り上げこそ横ばいだが、利益は手堅く伸ばしてきた。

 一方、IBMはソフトウェア商材の開発には依然として意欲的で、NI+Cパートナーズではこうしたソフトウェア製品を活用した「新しいビジネスの企画や提案をパートナーと共有する」(NI+Cパートナーズの平沢義徳取締役企画本部長)ことで、全国約200社のパートナーの新規ビジネスを支援している。さらに、NI+Cパートナーズでは、IBM以外の商材とIBM商材を組み合わせることで、付加価値を高める取り組みにも力を入れる。
 
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春川文男
社長

 また、足元のビジネスパートナーの業態をみても、以前のようにただ単純にハードウェアを仕入れてユーザーに販売する“リセラー”は少なくなっている。何らかのSIを伴うビジネスを手がけるケースが多いことから、例えば生産管理や経営分析、デジタルマーケティングなど、「IBMと歩調を合わせてパートナーが技術を習得する支援を手がけていく」(春川社長)。

 IBMビジネスパートナーだけに限れば、どのVADから何を仕入れるかは「ほぼ固まっている」(同)状態で、これを覆すのは容易ではない。それに、他の同業VADからシェアを奪うだけでは、IBM商流の全体のパイの拡大にはつながらない。IBMのVADは、他の大手ディストリビュータにはないIBM商材を扱うことができる。そのアドバンテージを活用しながら、ビジネスパートナーの売り上げや利益増につながる提案をどこまで増やしていけるのか。IBM商流全体のパイ拡大が、今後のNI+Cパートナーズのビジネスの伸びを大きく左右する。(安藤章司)