AI向けプロセッサを手がける寒武紀科技(Cambricon、陳天石CEO)は、第一回目の増資で1億米ドルの資金を調達したと発表した。第一財経日報などの報道によれば、今回の資金調達を受けて、同社の企業価値は10億米ドルを超えた。中国のAIプロセッサメーカーでは初のユニコーン企業となる。

 寒武紀科技は、中国科学院計算技術研究所系のプロセッサメーカー。平均年齢は25歳と若いが、同研究所が輩出する優秀な人材を有する。2016年に提供を開始した「寒武紀深度学習処理器(Cambricon-1A)」は、世界初のディープラーニングに特化した商用プロセッサで、従来のCPUとGPUを大幅に上回る処理性能をもち、スマートフォン、セキュリティ監視、ドローン、ウェアラブルデバイス、スマート運転などの領域に応用できるという。すでに、音声認識の科大訊飛(iFlYTEK)や、ハードウェア大手の曙光(Sugon)などが同社製品を採用している。

 今回の出資者には、国創投資などの投資機構に加え、AI事業に力を注ぐアリババやレノボも名を連ねた。寒武紀科技では、調達した資金を今後の研究開発や市場応用に充てる方針。

 なお、中国では政府がAI産業の振興に力を注いでおり、今年7月に国務院が発表した「次世代AI発展計画」では、AI関連産業規模を20年に1兆元に、30年には10兆元に拡大する目標を掲げている。(真鍋 武)