Zerto Japanは12月15日、東京・大手町でSIer・リセラー向けセミナー「Zertoクラウドカンファレンス2016」を週刊BCNの共催で開催した。セミナーでは、Zertoのオールインワン型のレプリケーション・復旧ソリューション「Zertoバーチャル・レプリケーション5.0」(以下、Zerto 5.0」のほか、日本法人の体制とパートナー戦略、国内外のユーザー事例などを紹介。バックアップや災害対策としてのクラウド活用も認知されるようになったことから、SIer・リセラーの関心は高く、多くの参加者で会場は熱気に包まれた。(取材・文/畔上文昭)

キーワードは「レジリエンス」

 最初のセッションでは、「Zerto Japanアップデートおよび2017年の展望について」と題し、Zerto Japan&Koreaの松澤正芳・カントリーマネージャが登壇。最新バージョンのZerto 5.0で実現した機能として、Microsoft Azureへのレプリケーションを紹介するとともに、IBM BluemixにおけるDR(災害復旧)機能として組み込まれるといったことを報告した。
 
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Zerto Japan&Korea
松澤正芳
カントリーマネージャ

 「2017年は、こうしたパートナーシップによる展開をグローバルだけでなく、日本でも加速させていく。クラウドベンダーやストレージベンダーとのパートナーシップを強化していくとともに、日本ではIAサーバーやハイパーコンバージドインフラのベンダーとも協業を進めていきたい」と、松澤カントリーマネージャは力を込めて語った。また、Zerto 5.0のライセンス販売においては、レプリケーション先のクラウドを意識して、クラウドベンダーとリセラーが協業するかたちのビジネスモデルを展開していくとした。

 Zerto 5.0のキーワードについて、松澤カントリーマネージャは「レジリエンス(回復力)」を紹介。障害などでシステムが停止した場合、スナップショットなどでバックアップを取得していても、タイミングによっては数時間のデータロスとなる場合がある。松澤カントリーマネージャによると、ユーザーの約8割はデータロスを1時間以内に抑えたいと考えているという。「ユーザーはバックアップやスナップショットを実施しているが、ニーズと合っていない。Zerto 5.0では、ジャーナルでデータ更新の履歴をもっているため、数秒前の状態にデータを回復するといった細かな指定ができる」。そこで、キーワードはレジデンスというわけだ。
 
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Zerto APAC&Japan
スタンリー・リー
Solutions Engineering
マネージャ

 次のセッションでは、Zerto APAC&Japanのスタンリー・リー・Solutions Engineeringマネージャが登壇。16年11月にリリースしたZerto 5.0について、すでに数百社が最新版にアップデートするなど、順調に推移しているとアピールした。

 新機能については、「Zerto 5.0では、ジャーナルの保存期間を旧バージョンの14日間から30日間に延長した。その期間であれば指定したポイントで迅速にデータを復旧できる。また、レプリケーションで1対多の構成が可能になった。AWSとAzureに同時にレプリケーションするといったことができる。企業ポータルに統合することが可能なAPIの提供も開始した」と紹介した。
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Zerto Japan&Korea
関 敏之
Solutions Engineering
エンジニア

 こうした新機能のデモンストレーションをZerto Japan&Koreaの関敏之・Solutions Engineeringエンジニアが担当。オンプレミスの環境から、Microsoft Azureにレプリケーションしたデータから、簡単にフェールオーバーできることを紹介した。

クラウドへの移行に活用

 次のセッションでは、特別講演として「2017年 どうなるクラウドマーケット」と題し、週刊BCN編集長の畔上文昭が登壇。IaaS/PaaSを中心に、グローバルにおけるクラウドベンダーの動向を紹介した。また、AI(人工知能)やRPA(Robotics Process Automation)といったトレンドを取り上げながら、SIerの求められる役割などについて語った。
 
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Zettagrid Pty
ニコラス・パワー
COO

 事例初回セッションでは、海外事例として、オーストラリアから来日したZettagrid Ptyのニコラス・パワーCOOが登壇。IaaSプロバイダである同社は、Zertoを採用した「DRaaS(DR as a Service)」を提供している。その効果について、「DRのプロセスはまだ複雑。間にサービスプロバイダが入る必要がある。また、DRaaSの提供を始めたことにより、当社のユーザー数が増えた」と語った。
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NTTデータ
グローバルソリューションズ
小倉康徳
アウトソーシング事業部
ソリューション統括部
クラウドマイグレーション
チームマネージャ

 最後に、日本の事例紹介として、ERP関連ビジネスを手がけるNTTデータ グローバルソリューションズの小倉康徳・アウトソーシング事業部ソリューション統括部クラウドマイグレーションチーム マネージャが登壇。同社では、社内のファイルサーバーをMicrosoft Azureに移行するにあたってZertoを活用した。「たった3ステップでレプリケーションを達成できた。当初はダウンタイムを4時間と想定していたが、60分で終了した。とても価値のある製品をみつけたと思っている」と感想を語った。