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SAP S/4HANAへの移行ビジネスを急成長させる――NTTデータグローバルソリューションズ

2017/11/30 09:00

週刊BCN 2017年11月27日vol.1704掲載

独SNP社のツールで移行作業を大幅に短縮

 NTTデータグローバルソリューションズ(NTTデータGSL、磯谷元伸社長)は、独シュナイダー・ノイライター・アンド・パートナー(SNP)と戦略的パートナーシップ契約を締結し、国内総代理店として、SNPが開発したデータ移行ツールの「SNP T-Bone」の販売を開始した。同社が手がける独SAPの最新ERP「SAP S/4HANA」の本格的な普及のトリガーになり得る商材として期待を寄せている。

 T-Boneは、基幹情報システムのデータやビジネスプロセスの状況を詳細に自動分析し、システム移行時のメモリ構築、移行プロジェクトのプランニングや実際のマイグレーションまでを総合的に支援するソフトウェア。「SNPが、これまで世界で7000以上のビジネスランドスケープトランスフォーメーション(基幹系システムなどの情報を活用したデジタル変革)実現のためのソフトウェア関連サービスを手がけた実績により生まれたもの」(NTTデータGSL)だという。米ヒューレット・パッカード分社化の際の基幹システム刷新でも活用された実績がある。

 両社の提携では、前述のとおり、S/4HANAの普及に向けてT-Boneを活用していくことになる。より具体的には、NTTデータGSLが既存のSAP ERPユーザーを対象に提供するS/4HANAへの移行サービスでの活用が中心になる。NTTデータGSLは、2年前からSNPにコンタクトを取っており、アジア太平洋市場での事業拡大を図りたいSNPの思惑と、日系企業を中心にS/4HANAビジネスを拡大したいNTTデータGSLの意向が合致したことから、今回の提携に至ったかたちだ。
 

稲葉俊之
第一製造事業部
副事業部長

 S/4HANAは、データベース(DB)ソフトを含むデータプラットフォームとして、SAP HANAを使わないと動かせない。他社ERPからS/4HANAに移行する場合はもちろんのこと、HANA登場以前からのSAP ERP既存ユーザーもDBの移行が必須になる。結果として、HANAを導入していないSAPユーザーは、一旦ERPを既存の「SAP ERP 6.0」の最新バージョンにアップデートするとともにDBをHANAに切り替え、それからアプリケーションをS/4HANAにマイグレーションするという2段階の移行プロセスを踏まなければならなくなった。稲葉俊之・第一製造事業部副事業部長は、「データ量にもよるが、2週間ほどコンピュータを止めなければならなくなる可能性もある」と指摘する。

 しかし、T-Boneを使うことにより、「2段階の移行を一気にできるようなり、24時間でS/4HANAへのマイグレーションを完了することも可能になってくる。SAPが本来認めていないDBからDBへのテーブルの直接コピーができるし、移行元のOSもDBも、アプリケーションのバージョンも一切気にしなくていい。各種の設定はGUI上で簡単にできるので、プログラムをつくる作業が一切なくなり、90%工数が減る」(稲葉副事業部長)という。
 

新垣信仁
第一製造事業部長

 同社は、S/4HANAへの移行を迷っているSAPユーザーがいまだに相当数存在するとみており、T-Boneを使えば簡単に移行できるというメッセージを打ち出し、S/4HANAのビジネスを加速させたいと考えている。新垣信仁・第一製造事業部長は、「当社のビジネスだけでなく、S/4HANAのマーケットそのものを大きく拡大していく起爆剤になる可能性がある」とT-Boneを高く評価する。

 当面、NTTデータGSLとしては、SAPユーザーへのS/4HANA移行支援サービスのみにT-Boneを活用していくが、将来的には、手組みや「Oracle EBS」など、SAP以外の基幹システムからS/4HANAにマイグレーションするユーザーにも、T-Boneを活用した支援サービスを拡大していくことを視野に入れている。また、T-Boneの国内総代理店として、パートナーエコシステムを他のSIerにも拡大していきたい考えだ。製造業分野のグローバル企業を中心に、今年度(18年3月期)に2件、2020年までには年間20件程度のS/4HANAへの移行案件獲得を目指す。(本多和幸)
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外部リンク

NTTデータグローバルソリューションズ=https://www.nttdata-gsl.co.jp/