スピーディに、高額の決済が可能

 ラクーン(小方功社長)は、後払い決済のFinTechサービス「Paid」に、ディープラーニングを活用した自社開発AIによる与信審査を導入し、取引限度額の拡大を図る。

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ラクーン
石井俊之
取締役副社長

 現在、ECを主力事業とするラクーンは、2010年に売掛債権保証サービスを提供するトラスト&グロースを買収し、同社のノウハウをベースに、B2B向けの後払い決済サービスとしてPaidを開始した。トラスト&グロースの社長も務めるラクーンの石井俊之・副社長は、「B2Bの世界では、掛売り決済が90%以上を占める。しかし、掛売りには、与信管理や請求書発行、請求業務にかかる手間やコスト、未回収リスクなど、販売側企業に多くの課題があることも確か。Paidは、販売側企業の請求業務をすべて代行し、未回収が発生した際も代金を100%支払うサービス。販売側企業は取引金額の1.9%~3.0%を保証料として当社に支払うだけで、掛売りのすべてのリスクから解放される」と説明する。ユーザー数は2500社に達しており、「三菱自動車のような伝統ある大手企業から、ベンチャー企業まで含めて、多くの企業に幅広く使っていただいており、B2Bの掛売り決済ニーズは今後もますます拡大するとみている」という。

 現在、Paidのサービススキームでは、ユーザーとなる販売側企業の取引先が初回審査を通過すると、一律の利用限度額を付与している。石井副社長は、「今回、この与信審査の部分にAIを導入することで、取引先企業ごとに詳細な与信判定を瞬時にできるようになるため、信用度に応じて柔軟に利用限度額を付与することが可能になる」と話す。
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トラスト&グロース
及川哲哉氏


 現在、テストを繰り返しているというが、AI開発を担当したトラスト&グロースの及川哲哉氏は、「これまで蓄積してきた審査情報をビッグデータとして生かした。AI導入後は、利用限度額を従来比で平均2.4倍くらいに引き上げられる見込み。初回付与も最高1000万円規模を視野に入れている。また、これまで審査は3人くらいの人手と15分ほどの時間をかけてやってきたが、最短1秒で済むようになり、より使いやすいサービスになると考えている」と話す。

 ユーザーの基幹システムとつなぎこむためのAPIも整備しており、決済関連業務の自動化、効率化のメリットを市場に広くPRして、拡販につなげたい意向だ。(本多和幸)