中国政府肝入りの国家プロジェクト「雄安新区」に、企業や組織が進出する動きが活発化している。北京の中関村科技園は昨年12月29日、同新区と戦略提携し、新たにハイテクパークを設立すると発表した。

 雄安新区は、昨年4月に中国政府が設立を発表した河北省の国家級新区。「千年の大計」と位置づける極めて重要度の高いプロジェクトだ。一方の中関村科技園は、約2万社のハイテク企業が集積する開発区。IT企業が豊富で、レノボや百度などの大手が本社を置くほか、IBMやマイクロソフト、インテルなどの外資大手も中国の拠点を設置。最近では、スタートアップ企業も急増している。今回の戦略提携を通じて、中関村科技園は新区内にハイテクパークを設け、関連企業の誘致を進める。

 雄安新区には、中国のIT大手が続々と進出を表明している。昨年9月に第一弾としての新区への進出を認可された48社のなかには、インターネット大手のBAT(百度、アリババ、テンセント)も名を連ねた。その後、3社は正式に雄安新区と戦略提携協議を締結。今後はAIやFinTech、自動運転などの先端ITを活用し、新区のスマートシティ建設に携わる。このほか京東、科大訊飛、寒武紀科技、金山軟件などが新区との戦略提携を発表している。

 IDC中国では、雄安新区における今後10年間のICT総支出は1000億元を超えると予測。日系企業にとっても商機となる。日立製作所の小久保憲一中国総代表は、「どう(雄安新区に)絡んでいくかは、これから」としつつ、「外資企業が一手に担うことはあり得ないので、基本的には中国企業のパートナーとして入っていく」との方針を示している。(真鍋 武)