AUTOSARアダプティブプラットフォームに焦点

 韓国のソフト開発会社ポップコーンザー(金甲鉉=キム・カプヒョンCEO)は、車載用ソフトウェアプラットフォームのAUTOSAR「アダプティブプラットフォーム」開発支援ツールを業界に先駆けて開発した。国内のAUTOSAR関連ソフトベンダーや自動車関連メーカーとの商談を意欲的に行っており、案件がまとまり次第、日本法人を立ち上げて事業拡大を目指す。

 AUTOSARは、欧州発の車載ソフトウェアのプラットフォーム(広義のOS)だ。制御系の「クラッシックプラットフォーム(CP)」と情報系の「アダプティブプラットフォーム(AD)」の二つの階層からなる。ポップコーンザーはかねてからAUTOSAR CP向けの開発支援ツールを手がけてきたが、今年1月からAUTOSAR AD向けの開発ツールの販売を本格的にスタート。CPとADの両方のプラットフォームにいち早く対応した開発ツールを日本国内向けに売り込んでいく。
 
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左からポップコーンザーの蔡承燁CTO、金甲鉉CEO、全玟賢マネージャー

 国内でのAUTOSAR CPを巡っては、すでにAPTJやSCSKなどのベンダーが開発にしのぎを削っている。これは制御系のプラットフォーム規格が先行して策定されてきた経緯があるためだ。ユーザーとなる国内自動車メーカーもすでにAUTOSAR CPの採用を進めている。一方、AUTOSAR ADの規格策定はまだ日が浅く、これから対応が進んでいくものとみられる。ポップコーンザーは、一足早くAUTOSAR AD向けの開発ツールを市場に投入することで、「先行者メリットを最大化していく」(キムCEO)構えだ。

 AUTOSAR ADは、外部の情報サービスと連携するコネクティッドカーの実現や、外部から無線でソフトウェアのアップデートを可能にする。制御系のAUTOSAR CPと連動して先進運転支援システム(ADAS)や将来の自動運転につながる「重要なプラットフォームに発展していく」(蔡承燁=チェ・スンヨブCTO)と予測する。

 矢野経済研究所の調査によれば、AUTOSAR関連市場は2016年の115億円から20年には415億円に拡大するという。車載ソフトウェア全体に占める割合は5.6%程度の見込みで、徐々に存在感を増していく。とはいえ、AUTOSAR関連の技術者はこれから育成していかなければならない段階。ポップコーンザーでは、「AUTOSAR CP/ADともに、技術者育成の支援も含めた総合的なサービスを提供していく」(全玟賢=ジョン・ミンヒョン・海外営業部マネージャー)と、技術者育成のコンサルティングなどの周辺サービスも拡充していく。

 制御系のCPと情報系のADは、同じAUTOSARの規格でありながらも、アーキテクチャが大きく異なる。求められるスキルの種類も異なることから、技術者の育成には時間がかかることが懸念されている。このため技術者育成に向けた支援は大きなニーズがあるとみて、開発ツールの販売と技術者育成に向けたコンサルティングの両方を柱にしてビジネス拡大を目指す。(安藤章司)