千葉県富津市と日本システムウエア(NSW、多田尚二社長)は3月15日、富津市が推進する防災見守りの取り組みに協力し、NSWのIoTクラウドプラットフォーム「Toami」とLPWAを活用した実証実験を行ったと発表した。

 近年、登山遭難者数の増加や自然災害をきっかけに防災意識が高まっており、富津市では登山者の見守りや避難住民の実態把握の方法について検討していた。そこで、ソニーセミコンダクタソリューションズが提供する、低消費電力で長距離伝送が可能なソニーのLPWA技術とIoTサービスを開発・構築するためのプラットフォームであるToamiを用いて、富津市で実証実験2件を実施した。

 まず、2017年9月に、登山者の遭難防止を目的とした見守り実証実験を行った。富津市の鋸山山頂にLPWA受信機を1台設置し、山全体をカバーするプライベートLPWAエリアを構築。実証実験では、そのエリア内にいるLPWA送信機を持った登山者の現在位置が、受信したデータから確認できるかどうかの検証を実施した。

 次に、地震・津波防災訓練での避難行動の実態把握実証実験を17年11月に行った。富津市と内閣府が共同で実施した地震・津波防災訓練とあわせて、地震発生後の5分間で海抜10mの高さまで避難できるかどうかの調査を実施。建物屋上にLPWA受信機を設置し、参加住民にLPWA送信機を持ってもらい、位置情報を3分ごとに取得して避難行動の実態を把握した。

 これらの実証実験から、富津市では、登山者の予期せぬ登山ルートや危険エリアへの立ち入りの可能性、住民の避難導線の傾向、よりよい誘導経路の発見といった情報が得られたという。また、NSWでは、ソニーのLPWA技術活用による広範囲な受信エリアによって、少ないコストで登山者の見守りや地域をまたいだ子どもや高齢者の見守りなど、新たなIoTサービス実用化に向け前進することができた。

 今後は、実証実験で得たデータや住民からの声をもとに市民や観光客への見守りIoTシステム提供の検討を進めていく方針。