中国・深セン市に本社を置くDJIは、日本でドローンのトップメーカーとして知られている。ただ、ほかの市場と同様にドローンの市場も汎用品化が進むとみており、現在は法人向けビジネスに力を注いでいる。ソリューションプロバイダとして、すでに次のステージへの成長を見据えている。

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歴代のドローンが並ぶ深セン市のDJIオフィス

 DJIは、2006年に創業。当初は、玩具用のコントローラシステムを開発していた。ドローンを開発したのは12年。「Phantom」シリーズの1号機のリリースを手始めに、その後は矢継ぎ早にさまざまな製品を生み出してきた。

 DJIによると、世界の民生用ドローン市場で、DJIのシェアは7割と圧倒的だ。深セン発のベンチャー企業から世界的な企業に成長したといえるが、今後はエンタープライズ領域にも力を入れ、成長を続けるつもりだ。
 
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DJIのケビン・オン・コミュニケーションディレクター

 DJIのケビン・オン・コミュニケーションディレクターは、「一般消費者向けの製品は、他社もどんどん開発している。将来的に性能の優劣はなくなり、製品の価値は一般化してしまうだろう」と予想し、「今、われわれが重要視しているのはエンタープライズの領域だ」と強調する。
 
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深セン市の上空を飛ぶドローン

 DJIは現在、農業や建設、エネルギー、治安、人命救助の五つの領域を重点に、ドローンとソフトウェアを組み合わせたソフトウェア開発キットを提供している。企業ごとのカスタマイズも支援しており、3月には建機大手のコマツが建設用のカスタムドローン1000台を導入したことで話題になった。

 日本では、国の戦略特区でドローンの活用について検討されているほか、全国各地で企業や行政が実証実験を進めている。DJIのソリューションに関しては、ラグビートップリーグのチームや大手保険会社、自治体の消防本部などが活用中だ。

 DJIは、売上の85%を海外が占めている。そのなかで、日本の位置づけについてオンディレクターは「市場としても、開発の場所としても、アジアのなかで日本は中国本土に次いで重要な国だ」と説明する。

 さらに、日本市場では「とくに農業と建設で、われわれのソリューションが役に立つと思っている」とし、「手作業でやっている農薬散布など、日本の産業をドローンを通じて改革し、DJIの成長にもつなげていきたい」と意気込んでいる。