Windows 7 EOSによる切り替え特需を開拓

 バックアップ/リカバリソフトウェアを手がけるネットジャパン(蒋冠成社長)は、USBメモリを通じてコンピュータを複製できるキッティングツール「ActiveImage Deploy USB」(アクティブイメージ・デプロイ・ユーエスビー)の販売を開始した。2020年1月に迎えるWindows 7の延長サポート終了(EOS)を好機と捉え、大量のPC切り替え作業に追われるSIerや企業のIT部門に提供していく。

マニュアル不要の操作性

 ActiveImage Deploy USBは、シンプルなUI(ユーザーインターフェース)が強みのキッティングツール。ITリテラシーが高くない人でもマニュアル不要で操作することができる。

 使い方は簡単だ。ActiveImage Deploy USBを使ってデプロイ用のUSBメモリを作成し、これを対象のPCに差し込んで電源を起動すると、ボタンを押すだけで、バックアップイメージを取り込める。その後は、バックアップを保存したUSBメモリを新たなPCに接続し、リストアのボタンをワンクリックすれば、ディスクイメージを展開できる。デプロイ用のUSBメモリは、汎用品で構わない。
 
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「ActiveImage Deploy USB」の操作画面イメージ。
誰にでもわかる簡単なUIで、ワンクリックでキッティングできる
 
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佐藤尚吾
執行役員
営業本部本部長

 企業や政府、学校などで複数のPCを新規導入する際には、共通するOSやアプリケーションを設定して展開する必要がある。しかし、従来のキッティング作業は、デプロイ専用のローカルネットワークやサーバーを立てる必要があり、設定作業が面倒なうえに、ネットワーク配布がうまくいかないなどの課題があった。ActiveImage Deploy USBでは、こうした設定作業の工数や時間、コストの大幅な削減を実現。デプロイ用USBメモリを各PCに差し込み、ワンクリックするだけでよい。佐藤尚吾執行役員営業本部本部長は、「世界一簡単なキッティングツールだ。ユーザーに選択肢を一切与えない」と強調する。

わずか40秒で展開完了

 2020年1月には、Windows 7の延長サポートが終了するため、多くの企業が、新しいOSへの切り替え対応に追われることになる。大量のPCを移行しなければならないが、従来のキッティング作業では作業負担が大きい。過去を振り返れば、14年のWindows XPのEOS時には、移行が間に合わない企業が続出するなどの混乱が生じた。調査会社IDC Japanによれば、今回のWindows 7でも、EOS時点で法人市場で稼働するPCのうちWindows 10の割合は全体の半数に過ぎない可能性があるという。まだ具体的な切り替え計画を策定していない企業が多いことが要因となっている。計画が遅れれば、EOSが差し迫る短期間に、ITベンダーやIT部門に移行支援の需要が集中し、対応しきれない可能性がある。

 こうした企業にとって、ActiveImage Deploy USBは使い勝手がいい。USBメモリで完結するので、猥雑なネットワークまわりの設定は不要だし、作業スペースも取らない。ディスクイメージの展開にかかる時間も、10GBをUSB3.0メモリで復元する場合は3~4分程度で完了。展開先がSSDの場合には、40秒で実現するという。佐藤執行役員は、「放っておいても、コーヒーブレークの間に作業が終えられる」とアピールする。

 このほか、ActiveImage Deploy USBは、PCのハードディスクエラーやウイルス汚染、OSのクラッシュ、自然災害などによるトラブル発生時にも重宝する。OSやアプリケーションの再インストールや再設定などの煩雑な作業が不要で、エンドユーザーでも簡単にシステム復旧ができるからだ。

主力製品の拡販にもつなげる

 また、ActiveImage Deploy USBは、ネットジャパンの主力製品である「ActiveImage Protector」のエンジンをベースとしている。同社では、Windows 7 EOSの移行支援に向けたキッティングツールとしてこれを拡販すると同時に、ActiveImageブランドの認知度を広げて、さらなる事業拡大につなげる方針だ。

 ActiveImage Protectorは、OSやアプリケーション、データを一括してバックアップするイメージバックアップ製品。WindowsやLinuxなどのOS環境に対応し、サーバーやクライアントPC、仮想マシン、クラウド上で利用できる。保存先は、ディスクであればUSBやネットワークストレージ、iSCSI、FCなど、事業規模に合わせた自由な構成が可能だ。

 昨年11月に販売を開始した最新の2018年版は、「ユーザーの操作感は従来を踏襲しつつも、中身が大きく変わっている」(佐藤執行役員)という。基本性能を強化したほか、バックアップ完了後、すぐにブートチェックや結合などのイメージに対する操作を行うことができる「ポストバックアッププロセス機能」を新たに搭載。さらに、別製品として販売してきた「vStandby」を統合することで、物理、仮想用の待機マシンを作成し、障害時には、即座に起動できる機能を実現した。これによって、バックアップから復元、即時復旧までを一つのソフトウェアで一気通貫で行えるようになった。

 ActiveImage Protectorは、開発を始めてから今年で10周年を迎えた。ネットジャパンでは、これを記念したパートナーイベントを5月に開催し、さらなる飛躍を目指す。

 佐藤執行役員は、「働き方改革の一環としてITを導入する企業が増えているが、その反面でシステムを支える側の負担は大きい。当社製品を通じて、企業の業務効率化にも貢献していきたい」と今後の抱負を語った。(真鍋 武)