米国のERPベンダーであるエピコ ソフトウェアは、日本市場での製品展開を本格化する。今年4月、ベトナム最大手のIT企業FPTコーポレーションのSI子会社であるFPTソフトウェアと戦略提携した。同社の日本法人を通じ、製造業を中心にERPソフト「Epicor ERP」を提供していく。

 エピコ ソフトウェアは1972年に創業し、グローバル約150か国に2万社の顧客を抱えるERPベンダー。2017年度売上高は8億米ドルを誇る。同社のEpicor ERPは、財務管理、人事管理、顧客関係管理、サービス管理といった汎用的な機能に加え、サプライチェーン管理、生産管理、プロジェクト管理などの製造業向けのモジュールを取り揃え、ユーザー企業は自社の要件に応じて必要なものを選択することができる。日本語を含む約30か国の言語・サポートにも対応している。製造業を中心に、売上高5000万~10億ドル規模の中堅・中小企業が主な導入先となっている。

 日本市場では、約10年前に事務所を構え、一定の実績をあげているものの、積極的な活動は行っていなかった。そこで今回、日本で300社超の企業に対してERPなどのソリューション提供の実績をもつFPTソフトウェアを通じて市場開拓を本格化させる。両社は親会社を通じてこれまでも連携しており、FPTソフトウェアはEpicor ERPに精通している。要件定義からコンサルティング、プロジェクト管理・実施、サポートまでの一貫したサービスを提供していく。

 海外で実績のあるエピコ ソフトウェアだが、すでにERP市場が成熟している日本では後発となるため、今後は競合製品を使用している企業の乗り換え案件を獲得していく計画だ。ヴィンセント・タン アジア地域担当副社長は、「ERPを2回、3回と乗り換えている企業は、より効果が見込める製品を求めており、そうした案件で当社製品が選ばれるケースが多い」と説明。「日本のERPベンダーは国内市場には強いが、多くの日本企業は海外に進出しており、この領域は当社に強みがある。また、グローバルERPベンダーと比べても当社はトータルコストが強い。第三者機関によれば、ERP導入後の8~10年の間にかかる総コストは、1位のERPベンダーと比べて3分の1だ。1位のベンダーにできる9割のことを提案できて、コストが3分の1に抑えられるのであれば、競争力がある。参入するのに遅すぎることはない」と自信をみせる。

 今後の計画について、ヘッシャム・エル・コミー 国際チャネル上級ディレクターは、「毎年二ケタずつ顧客の獲得件数を増やしていきたい」と意欲を示した。(真鍋 武)
 
ヘッシャム・エル・コミー 国際チャネル上級ディレクター(写真左)と
ヴィンセント・タン アジア地域担当副社長