キヤノンITソリューションズとNEC、日立システムズ、フィラーシステムズ(大阪市)の4社は、アマゾンウェブサービス(AWS)上で医療情報を取り扱うガイドライン「医療情報システム向けAWS利用リファレンス」を共同で作成し、この7月をめどに無償で提供すると、6月19日、発表した。同リファレンスよりAWSを活用した医療情報システム事業の促進につなげる。

 第一弾の取り組みとして、医療情報を受託する事業者となる情報処理事業者に求められる経済産業省の「医療情報を受託管理する情報処理事業者向けガイドライン」にのるリファレンスを提供する。AWS環境上での医療情報システムを実装する際に考慮すべき事項や、AWS上での安全で効率的な活用方法についての情報を整理して記載する。
 
写真右からキヤノンITソリューションズの上島努・
クラウドサービスコンサルティング部シニアITアーキテクト、
アマゾンウェブサービスジャパンの梅谷晃宏・オフィスオブザCISO、
日立システムズの松本一敏・関西支社第三産業営業部(ヘルスケア)担当部長、
フィラーシステムズの鴻池明社長、NECの大竹孝昌・サービスプラットフォーム事業部マネージャー

 キヤノンITソリューションズの上島努・クラウドサービスコンサルティング部シニアITアーキテクトは、「柔軟性が高く、コストメリットも大きいAWSを使いたいというニーズが医療業界にある」と指摘。アマゾンウェブサービスジャパンの梅谷晃宏・オフィスオブザCISOは、「米国では、すでに米国が規定する医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令(HIPAA)に対応している」と、本国では先行して医情報の規制に対応している話す。

 日立システムズの松本一敏・関西支社第三産業営業部(ヘルスケア)担当部長は、「医療業界向けビジネスにおいても、あらゆるプラットフォームに対応していくのが当社の基本方針」と、AWSにも積極的に対応していく考えを示した。

 フィラーシステムズの鴻池明社長は、「医療や介護の地域連携が進むなか、使いやすいプラットフォームのひとつがAWS」だと話す。NECの大竹孝昌・サービスプラットフォーム事業部マネージャーは、「AWSのさまざまな機能を活用することで、これまで実現が難しかった新しいサービス開発につなげる」と、新しいビジネスの創出に意欲を示す。

 今後は、厚生労働省と総務省、経済産業省が出している医療情報の取り扱いに関する「3省4ガイドライン」を中心とした各種のガイドラインに対応したリファレンスも年内を目途に順次提供していく予定。その中では、現在改訂作業が進められており、この7月をめどに公開が予定されている総務省の「クラウドサービス事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドライン(第1版)」にもいち早く対応していく方針だ。