米CAテクノロジーズ(マイケル・グレゴアCEO)は現地時間の6月5日と6日、米カリフォルニア州サンタクララにある同社のオフィスで、報道関係者・アナリストを集めた「Built to Change Summit」を開催した。同イベントでは、毎年11月に開かれるCAの大型イベント「CA World」で発表されたソリューションやビジネス施策の進捗を解説した。開催中は、新たなアップデートやユーザー事例、パートナーとの協業などを紹介。同社が近年提唱している「モダン・ソフトウェア・ファクトリ」について、着実な進化がうかがえた。(取材・文/前田幸慧)

CA Technologiesのサンタクララにあるオフィス

サム・キング
CSO(最高戦略責任者)
CA Veracode
 CAが提唱するモダン・ソフトウェア・ファクトリは、アイデアから製品化までの流れを高速化するソフト開発の考え方を指す。デジタルトランスフォーメーション(DX)を背景に、品質の高いソフトウェアやサービスをより早く市場に投入することの重要性が増している。そこで同社は近年、効率的かつ迅速なソフト開発を実現する仕組みの提供に注力してきた。

 17年11月に開かれたCA Worldではモダン・ソフトウェア・ファクトリを中心に、多数の新製品や顧客企業の事例などを披露した。今回のBuilt to Change Summitは、それから半年余りの間のアップデートを説明。モダン・ソフトウェア・ファクトリの中核を担う「DevOps」「DevSecOps」「アナリティクス」「アジャイル」の四つ分野のソリューションについて、テーマごとにわかれたブースでCAの各製品担当者が解説するとともに、メディアとの個別/グループインタビューに応じた。

 今回のアップデートの一つが、DevSecOpsを支援するソリューションとして紹介した「CA Veracode」に関するものだ。ソフトウェア開発の開発段階でセキュリティのぜい弱性を検知するクラウドサービスで、今回、SourceClearを買収して実現した「CA Veracode SourceClear」を発表した。CA Veracodeを担当するサム・キングCSO(最高戦略責任者)は同社について、「OSSのぜい弱性で独自のデータベースをもっており、機械学習を用いた解析によって未知のぜい弱性でも発見できる技術をもっている」と説明。OSSのぜい弱性に対するCA Veracodeの検知力が向上し、「DevOpsと相性がよく、開発者にとって使いやすいソリューションだ」と強調した。

 
スリヤ・パンディティ
アジャイル・マネジメント担当
シニア・バイス・プレジデント
兼ゼネラル・マネージャ
 また、CAにとって長年の主力ビジネスであるメインフレーム事業に関して、IBMの「Cloud Managed Services on z Systems(zCloud)」向けの新サービスを共同開発し、販売するIBMと戦略的パートナーシップを結んだと発表した。新製品である「CA Brightside」を含むメインフレーム製品を両社で提供していくという。

 このメインフレームに関する発表については、「アジャイル」をテーマとしたブースで紹介した。その意図について、スリヤ・パンディティ・アジャイル・マネジメント担当シニア・バイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャは、「早くからアジャイルに取り組んできたアーリーアダプタの人たちはアジャイルに対する吸収力が高く、メインフレームについてもアジャイルの手法を取り入れることに積極的」といい、CA Brightsideを用いることで、使い慣れたオープンソースツールで簡単にメインフレーム用のアプリケーションを開発できると語った。これらのほかにも新製品や機能の強化を発表。全体的にビジネスにかかわる実用的な「インサイト」を得るために、機械学習や自動化、分析の強化への注力姿勢を示していた。

CA Veracode、今年4月に国内でも提供開始
年内にはパートナー経由での販売を本格化

四宮康典
事業部長
 Built to Change Summitで新発表があったCA Veracode。DevSecOpsを支援するソリューションとして北米など一部地域では昨年4月から提供されており、「ビジネスは好調。CAのビジネスに対する貢献度は大きい」(キングCSO)と、CAのなかでも大きな存在となっている。日本法人では、今年4月に提供を開始した。

 CA Veracodeは、静的解析/動的解析ソリューションの計6製品とウェブトレーニングで構成され、各製品単位で提供されている。日本CAの四宮康典・セキュリティ・ソリューション事業部APIマネジメント・ソリューション事業部VERACODE・ソリューション事業部事業部長は、CA Veracodeの強みについて、「ソフトウェア開発ライフサイクル全体をカバーしていることや、多数のオープンソースのDevOpsソフトウェア開発ツールとAPIでシームレスに統合が可能で、製品自体もSaaSとして提供している」ことなどを挙げる。

 今後、日本法人では同製品の本格展開に向けて、代理店経由での販売に力を入れていく方針。「SoEに取り組んでいる、つまりIoTやFinTech、モバイルアプリケーションなどITを使って顧客とのチャネルをつくっている企業はスピードが求められるため、アジャイル型で開発を行っている。金融や流通をはじめ、B2Cのチャネルをもっているところがターゲットになる」と話す。四宮事業部長は、「昨年のCA Worldでの発表以降、ユーザーやパートナー企業からの反響が大きい。年内は2社の代理店をつくりたい」と意気込みを示す。