2015年の創業から、国産IoTプラットフォームのけん引役へと一気に成長したソラコム(玉川憲社長)の事業拡大が止まらない。7月4日には、一挙に九つの新製品・サービスを発表した。

新製品のボタン型デバイスを紹介する
玉川憲社長
 発表内容の一つが、IoT回線サービス「SORACOM Air for セルラー」のセルラーLPWA(LTE-M)対応版の「SORACOM Air for セルラー plan-KM1」。18年5月にKDDIとの協業で発表したIoTサービスが、LPWAにも対応したかたちだ。これにより、セルラー回線を利用しながら省電力、かつ広域な運用が可能になる。また、すでに提供されているプラン同様、plan-KM1のSIMを使えば「SORACOM」のすべてのサービスが利用できる。手数料が1回線1500円、基本料は月額1回線100円、通信料が1KBあたり0.5円。提供は9月から。

 AWSとの連携強化も促進する。具体的には、「AWS IoT 1-Click」対応のボタン型デバイスとして「SORACOM LTE-M Button powered by AWS」を提供していく。AWS IoT 1-Clickは、AWSが提供するIoTクラウドサービスで、デバイス購入直後からワンクリックでさまざまなケースに活用できるのがコンセプト。SORACOM LTE-M Button powered by AWSは国内初の対応デバイスで、plan-KM1のSIMが内蔵されていることから、LTE-Mのエリア内で個別の通信設定をせずに利用できる。提供は今年度下期を予定している。

 また、IoT通信プラットフォーム「SORACOM」における新サービスとして「SORACOM Krypton」と「SORACOM Lagoon」を発表。いずれも7月4日から提供している。

 SORACOM Kryptonは、クラウドサービスに接続するための初期設定を行うサービス。SIMをKryptonに認証させると、Kryptonはクラウドサービスにデバイス登録処理を行い、得られた接続情報などをデバイスが受け取ることでデバイスとクラウドサービスの接続が確立される。これにより大量生産時のデバイス登録処理や個別埋め込み作業が短縮され、接続時の情報漏えいのリスクもなくなるという。さらに、「SORACOM Endorse」の強化により、SIM認証はセルラー回線だけでなくWi-Fiや有線などでも可能。料金は、SIM1枚あたり初回は180円、2回目以降は40円となる。

 一方のSORACOM Lagoonは、IoTデータのダッシュボード作成、共有やアラート通知を可能にするサービス。このサービスは「SORACOM Harvest」で収集されたデータがベースとなるため、利用するにはHarvestが必須となる。Harvestでも簡易的なデータの可視化はできたが、複数デバイスデータの並列表示や表示軸の設定、アラート通知、データの共有はできなかった。これらの課題をLagoonは解決する。料金は基本のMakerプランで月額980円。より規模を広げたい場合は別途相談となる。

 同社の玉川社長は、「私たちにこだわりはない。お客様のニーズ、テクノロジーに合わせてアーキテクチャを進化させていきたい」と語った。(銭 君毅)