日本マイクロソフトは8月6日、都内のホテルで記者会見を開き、7月1日にスタートした今年度の経営方針を発表した。

経営方針を発表する日本マイクロソフトの平野拓也社長

 グローバルでは、売上高1104億ドル(約12兆円、前年比14%増)と好調で、そのうちAzureなどのクラウドビジネスを展開するコマーシャルクラウド事業が大きな伸びを示した。同事業の売上高は230億ドル(2兆5000億円、同56%増)となり、Azureの伸び率が前年比89%増、Officeが同38%増、Dynamics365が同61%増と、いずれも大きく伸長した。
 
コマーシャルクラウド事業が大きく貢献

 日本の売上高は非公表だが、平野拓也社長は「日本は各カテゴリでグローバル以上の高い達成率を実現した。06年度~16年度の10年間に上げた総成長金額分を、16年度~18年度の3年間で2倍に成長した」と、日本市場がグローバルを上回る成長率であることをアピールした。
 
日本のビジネスの成長

 東京五輪が開催される20年に向けて注力する、「インダストリー」「ワークスタイル」「ライフスタイル」の3分野でイノベーションを起こし、日本の社会変革に貢献していくとする。

 インダストリーイノベーションでは、クラウドとAIによるデジタルトランスフォーメーションを推進。ターゲットとする分野を八つに定め、それぞれに特化した営業チームを形成してスタッフの増員を図っていくという。8分野とは、流通、製造、教育、メディア&コミュニケ―ション、金融、自動車、政府・自治体、ヘルスケア。
 
インダストリイノベーションで注力する8分野

 米国では、流通の分野でGMS最大手のウォルマートがマイクロソフトと5年間の戦略的パートナーシップ契約を結び、AzureなどのクラウドサービスをIT基盤として全面的に採用する動きがある。ウォルマートが、競合であるアマゾンのクラウドサービスであるAWSの導入を嫌い、マイクロソフトを採用したとされる。

 国内で8分野のデジタルトランスフォーメーションを担う手島主税執行役員常務クラウド&ソリューション事業本部長は、「国内でも流通分野からの引き合いが多い。今年度は、導入したクライアントから次々と発表があるだろう」と、国内の流通や小売業者でもAzureなどのクラウドサービスの導入が順調に進んでいることを示唆した。

 ワークスタイルイノベーションでは、AIを取り入れて個人と組織の働き方を分析し、働く人のポテンシャルを最大化する。店舗の店頭や工場で働くファーストラインワーカー、ミレニアル世代、教育分野の教師や生徒などをターゲットにする。

 具体的には、Windows7/Office 2010のサポート終了に伴って、Microsoft 365とモダンデバイスでクラウド化し、働く環境のモダナイゼーションを進める。とくに、導入が遅れてる中小企業でのクラウド化を提案していくという。

 ライフスタイルイノベーションでは、Windows 10搭載のノートPCのほか、8月28日に発売となる「Surface GO」などのSurfaceシリーズを、ミレニアル世代や学生をターゲットに展開していく。「Surface GOの先行予約状況は過去、1、2位を争うほどの相当数が出ている」と平野社長は手応えを感じている。

 最後に平野社長は、「三つの分野でイノベーションを起こし、2020年には日本のNo.1クラウドベンダーになりたい」と意気込んだ。