日中デジタルビジネス協会(沈高平会長兼代表理事)は10月30日、都内で設立記念パーティーを開いた。会員企業をはじめ、政府機関の代表者や関連団体などから約130人が参加。そのうちの約40人が中国籍で、日中が意見や情報を交わすなど盛り上がりをみせた。また、来賓として日本中華総商会会長の厳浩氏や日中経済協会事業開発部課長の横山達也氏、中国駐日本大使館商務処参事官の景春海氏が出席し、協会の設立を祝福。協会は、日中両国のデジタル経済発展に向けた活動方針や意気込みを示した。(取材・文/銭 君毅)

当日は多くの企業・団体・政府関係者が参加した

デジタルの波が急速に拡大する中国

 日中デジタルビジネス協会は、デジタルビジネスに取り組む日本と中国の企業に対する支援や、日中両国の地域経済の発展に寄与することを目的として、今年5月に設立された。会長兼代表理事には縁通の沈高平社長が就任し、顧問には日本中華総商会会長の厳浩氏やアリババ元副総裁の孫炯氏を迎えた。日本と中国におけるオンラインを主体とした交流を加速させ、両国間のビジネスプラットフォームとして会員企業の新規事業創出を支援していく。
 
 10月30日に開催した協会の設立記念パーティーでは、沈高平会長兼代表理事が開会のあいさつを行った。沈会長は「近年、中国ではデジタル化が急速に進んでいる。一方、日本はインドとデジタル協定を結ぶなど、グローバルな取り組みが始まっている」と日中両国のデジタルに関する動向に触れた上で、「先日、トヨタ自動車とソフトバンクが提携したが、トップ企業でさえ新たな事業を展開していかないと生き残ることはできない。国ごとにデジタルの波が拡大している今、国と国の間のビジネスもデジタル化していく必要がある」として、デジタルビジネスの重要性を語った。
 
アジアウィーヴの代表取締役で、日中デジタルビジネス協会理事の森保治氏

 また、沈会長は「中国はデジタルトランスフォーメーションにうってつけの土地だ」と強調。「日本はインフラが成熟しているためデジタル化を進めるときは、それらを考慮しなくてはならない。それに対して中国は、今まさに整備が進んでいるさなかであり、そういった縛りがない。さらに、中国には改革・改造の土壌があって自由にトライアルができる。好きに仕組みを作ってから法律が整備されるという特徴がある」と言う。「日本には日本の、中国には中国のデジタルトランスフォーメーションがある。互いに学び合うためにも、われわれのような交流の場となるプラットフォームが必要になる」と語った。
 

日本と中国のデジタルハブを目指す

 日中デジタルビジネス協会は、デジタル領域に特化して日本と中国の企業間交流を促進することに特徴がある。協会の基本的な位置付けについて、アジアウィーヴの代表取締役を務める森保治理事は、「今後、日本と中国の企業が新たなサービスを創出したとき、それは最先端のインフラに支えられたスマートシティーで展開されていくだろう。われわれはその中心に位置するデジタルハブを目指す」と説明した。

 当面の活動内容として、「会員間相互交流」「会員向け情報提供」「日中その他諸外国企業、関連団体や政府機関との交流活動」「日中デジタルビジネス促進に関する事業」の四つに注力していく。

 まず、会員間の交流では、オフラインとオンライン両面での交流会やイベントを随時開催し、国境をまたいだアライアンスやマッチングを図る。情報提供では、セミナーや講演会を開いて情報を発信・共有していくほか、中国のコラムニストを編集長に起用し、メールマガジンを配信するという。国外の関連組織との交流では、日中経済協会や日本貿易振興機構(JETRO)とタイアップした現地視察を予定しており、また、その他の関連団体との連携を検討している。デジタルビジネスの促進では、中国や日本での事業展開を考えている企業向けに相談窓口を設置する。さらに、インキュベーション事業の立ち上げを予定しており、出資を含むさまざまな角度からスタートアップを支援していく。

 協会の設立について森理事は「日本では経団連が5月にデジタルエコノミー推進に向けた提言を発表し、中国では工業情報化部の苗圩部長が、中日のデジタル経済領域の発展に前向きな発言を行った。この時期に設立できたのは非常にベストなタイミングだった」と語る。「われわれはまだ生まれたばかりでよちよち歩きの団体。会員の皆様には積極的なコミットを期待している」と参加者に呼び掛けた。


組織概要
名称:一般社団法人日中デジタルビジネス協会
設立:2018年5月18日
代表理事:沈 高平
所在地:〒103-0027 東京都中央区日本橋2-1-3
     アーバンネット日本橋二丁目ビル10階
TEL:03-4405-3540
Email:reception@cjcdc.jp
URL:www.cjcdc.jp