【上海発】DTSの中国現地法人DTS上海が、新体制でビジネスの拡大を狙っている。これまでパートナーだった大連市の開発会社を子会社化する契約を3月に結んだほか、4月には総経理の交代を実施。DTS上海の新しい総経理に就いた菅原一夫氏は「1、2年で結果を出したい」と意気込んでいる。(上海支局 齋藤秀平)

DTS上海の菅原一夫総経理

 DTS上海が子会社化するのは、大連市の「大連思派電子」(DLSE)。両社は2016年秋頃から増資に関する交渉を本格的に開始し、19年3月11日、DTS上海から大連思派電子への出資割合をこれまでの15.6%から51%に引き上げる増資契約を結んだ。DTSは増資の目的について「今後も安定的な成長が見込める中国で、確固たる地盤固めをする足掛かりとして追加出資を行うことにした」と説明する。

 DTS上海はこれまで、日本企業向けのオフショア業務を中心にDLSEと連携してきた。DLSEを子会社化したことで、今後は、日本国内のIT人材不足を補完する海外オフショアの増強のほか、中国の企業や銀行、公共機関向けのSI事業の強化、中国の人工知能(AI)やIoTなどの技術の日本への展開などを検討する方針だ。

 中国で企業運営を行っていくうえでは、企業統治をどのようにするかも重要だ。DTSは、DLSEの体制について、現場で実務を統括する総経理を中国人とし、トップに当たる董事長には日本人を充てる。さらに、副総経理をDTS上海の菅原総経理が務めることで、チェック機能の強化を図る。

 菅原総経理は、NTTデータ出身で、留学や駐在で計20年以上、中国とかかわってきた。長年にわたって中国を見てきた立場からすると、「中国は、さまざまなことに対して国が主導するため、ほかの国に比べてかなり速いスピードで物事が進んでいく」と話す。

 一方で「中国では、スピード感は非常に重要だが、われわれのような外資企業がやみくもに製品やサービスをローカライズしても結果は出ない」との考えも示し、「まずはしっかりと中国市場のニーズを把握し、それに合うような製品やサービスを素早く展開し、1、2年で結果が出るようにしていきたい」と語る。