【上海発】サイボウズが、2020年に香港事務所を開設することを検討している。巨大な市場を抱える中国に近く、英語が公用語となっている香港に進出することで、力を入れている中国と米国の事業展開を加速させる狙いがある。(上海支局 齋藤秀平)

サイボウズの青野社長(左)とサイボウズ中国の増田副総経理

 香港事務所は、サイボウズが直接開設する方向で進めている。現地法人にするか支店にするかも含めて詳細はまだ決まっていないという。現地では製造業やサービス業を主なターゲットとし、スタートアップ企業へのサービスも提供する予定。

 サイボウズ中国の増田導彦副総経理は、逃亡犯条例改正に絡む最近の中国と香港の状況を考えると、「半年遅らせたり、少し様子を見たりする可能性は十分にある」と説明。開設の主体となるサイボウズの青野慶久社長は「香港と中国の情勢は日々変わっているため、しっかりと動きを見極めていく」と述べた。

 サイボウズにとって、導入企業数が1000社を突破した中国市場の重要性は増している。青野社長は「アリババやテンセント、ファーウェイの技術やR&Dの成果をみていると、すでに米国とそん色ないレベルだと思っている」とし、中国市場の位置付けについては「米国と並ぶ最重要市場だ」と強調した。

 サイボウズは現在、日系企業からの引き合いが多い華南地区を中心に顧客の獲得を進めている。香港事務所を開設し、すでに開設済みの深セン事務所と連携して中国のローカル市場の開拓に弾みをつけ、同時に米国拠点との連携強化を図る方針だ。