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AI活用OCRで手書き書類も高精度でデジタル化──AI inside<新規上場企業の横顔>

2020/01/05 09:00

 AI inside(渡久地択社長CEO)は、12月25日に東京証券取引所マザーズに上場した。上場初値は公開価格3600円を上回る1万2600円となった。

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 AI insideは、世界中の人・物にAIを届け、豊かな未来社会に貢献することをミッションに掲げている。同社は、人がルールを設計し、そのルールをプログラミングすることで開発する文字認識技術を一切排除し文字画像データを学習、コンピューターが自動的にルールを設計するディープラーニングによる手書き文字認識AIを開発した。このAIを、日々の業務で誰もが使えるようにするため、ユーザインターフェースを備えたAI-OCRサービス「DX Suite」として開発し、ユーザーに提供している。

 製品の提供方式として、現在主力製品となっているクラウドコンピューティング(AI inside Cloud)だけではなく、クラウドにアクセスすることなくユーザーの元でAI処理を行うエッジコンピューティング用ハードウェア「AI inside Cube」を自社で開発した。これにより、地方公共団体などプライバシー保護がさらに重要視される業界への導入拡大も実現している。

 同社のAIは、クラウド環境、オンプレミス環境ともにソフトウェアインフラ基盤「AI inside Computing Engine」の上で稼働しており、ユーザーが日々の業務で使うほど、さらなる追加学習のためにデータフィードバックが行われ、精度が向上するという特徴をもっている。その学習部分を担う同社内部の仕組みが「AI inside Learning Center」で、ユーザーが増加するほど加速度的に品質が高まる仕組みとなっている。

 同時に、大規模化による低コスト構造の実現と、AIを動作させるためのハードウェアを自社開発・自社利用することで、ユーザーにより低価格での提供が可能な構造となっている。同社は、この好循環サイクルにより契約数の拡大とユーザーの継続利用、ビジネスの継続的強化を実現している。

 20年3月期の業績は、売上高13億3500万円(前期比200.0%増)、営業利益2億1100万円(前期は営業損失1億8100万円)、経常利益1億9300万円(前期は経常損失1億8200万円)、当期純利益1億9100万円(前期は当期純損失1億8300万円)を見込んでいる。
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外部リンク

AI inside=https://inside.ai/