シャープ(戴 正呉 代表取締役会長兼社長)が2月4日に発表した今年度(2020年3月期)第3四半期決算(4~12月)は、売上高が1兆7555億円(前年同期比0.9%減)、営業利益が663億円(同2.7%減)と減収減益となった。同時に、通期売上予想を2000億円下方修正し、2兆4500億円とした。営業利益などは、19年5月に示した前回予想を据え置いた。ディバイス事業の需要回復が遅れていることなどが要因とした。

第3四半期決算の概要を説明する
シャープの野村勝明代表取締役兼副社長執行役員

 中国を起点に感染が広がっている新型コロナウイルスの業績への影響について野村勝明代表取締役兼副社長執行役員は、「現時点では合理的に算出することが困難」として、今回の修正に織り込まなかった。また、「中国での生産について、9日までは縮小あるいは停止しており10日に再開する予定。引き続き中国政府の動きを注視していきたい」としながら、「影響が長引くようであれば、部品調達先の変更などで対応する可能性もある」と話した。

 第3四半期までの累計セグメント別では、家電やカメラモジュールなどの「スマートライフ」が、売上高で6626億円(前年同期比1.6%減)だったものの、営業利益で351億円(34.5%増)と増加した。

 テレビやディスプレイ、ビジネスソリューションなどの「8Kエコシステム」は、売上高が8988億円(8.2%減)、営業利益が293億円(27.6%減)。通信やDynabook、IoTクラウドなどの「ICT」は、売上高が2677億円(51.0%増)、営業利益が155億円(24.7%増)だった。

 国内で昨年10月の消費増税、中国で景気減速などの影響を受け、売り上げでも利益でもテレビ・ディスプレイ関連が足を引っ張る状況だ。米中貿易摩擦の影響もあり、厳しい事業環境は続いているが、野村副社長は「2018年度第4四半期を底とする回復基調は継続している」と話した。(BCN・道越一郎)