ニュース

NEC、工場の効率化に量子コンピューター技術、無駄のない製造プロセスを算出

2020/03/19 15:03

 NEC(新野隆社長)は3月17日、グループ会社であるNECプラットフォームズ(福田公彦社長)の工場の生産効率化に向けて量子コンピューターの適用技術であるシミュレーテッド・アニーリングマシンを活用したシステムを3月に導入すると発表した。

NECの「量子コンピューティングへの取り組み」Webページ

 具体的には、SMT(Surface mount technology:電子部品の基板表面実装)装置を用いた生産の計画立案にシミュレーテッド・アニーリングマシンを活用して、最も効率的で無駄のない製品製造プロセスを算出し、計画内容に反映していく。

 NECは、同様の実証実験を19年9月-20年2月に行い、従来は熟練の作業者が数十分かけて決めていた生産計画と同等以上の計画を数秒で求めることに成功した。これにより属人的だったスキルをシステム化し、人材不足やスキル継承などの課題解決を支援する。

 今回導入したシミュレーテッド・アニーリングマシンにはベクトル技術を活用。一般的に規模が大きくなりがちな最適化問題を的確に分割したり、分割した最適化問題を効率よく解いたり、最終的に現場の状況に調整したりする部分で、従来のアルゴリズムとアニーリング手法を複雑に組み合わせたアルゴリズムを新たに開発して実現した。

 今後、NECでは量子コンピューティング技術の適用検証をものづくり領域全般に拡大し、スマートファクトリーの実現を加速していく方針。
  • 1

関連記事

NEC、今年の新卒社員から役割別報酬水準に切り替え

NEC 知らなかったでは済まされない、Windows 10で大きく変わるPC管理 見落としがちなWindows Updateの落とし穴を賢く回避!

NECとシスコ、安全保障領域や重要産業インフラ向けにサプライチェーン管理を強化したネットワーク機器を提供

外部リンク

NEC=http://jpn.nec.com/

NECプラットフォームズ=https://www.necplatforms.co.jp/

週刊BCN特別連載企画
「パートナーと伴奏し、新たな価値を共創するネットワールド」

連載第1回 トップに聞くビジネス戦略とパートナー支援

× こちらから>>

連載第2回 オンプレミスの知見を生かした「クラウド移行の最適解」

× こちらから>>

連載第3回 複雑なセキュリティに対し充実したサポートと検証環境を用意、今後はAI保護に注力

× こちらから>>

連載第4回 AIビジネスの立ち上げを支援 企業独自のデータを取り込み課題を解決

× こちらから>>