サイボウズ(青野慶久社長)は3月31日、高山市役所と「kintone(キントーン)」を活用して実施したおくやみ窓口システムの開発と実証実験で、市民の待ち時間を最大約40%削減する効果があるとの結果を得たと発表した。

「おくやみ窓口システム」の実証実験

 今回の実証実験は、エンジニアではない高山市職員が約2カ月の短期間でシステムを構築し、25課にもおよぶ関係課との調整を行って実施したもの。実施時期は2月14日から28日まで。ローコード開発ツールであるkintoneを利用することにより、自治体特有の複数部門にまたがる窓口業務改革を、内製で素早く実現した事例となる。

 現在、死去にともなう各種手続は、当該者が亡くなっており必要となる手続きを本人から聴取できないため、親族など届出者が関係課窓口で内容を確認している。関係部署が多岐にわたるだけでなく、一度の市役所訪問で完了できない手続きもあり、届出者や関係事業者にとって大きな負担となっている。実証実験ではkintoneを利用し、当該者の死去にともない発生するすべての手続きを関係部署が事前に把握して届出者に案内している。市役所訪問時にワンストップで手続きを可能とするシステムを構築し、利用者の利便性向上と業務効率化を目指し実施した。

 高山市職員が構築したおくやみ窓口システムでは、死亡届を受理後、kintoneアプリに内容を入力すると各関係課に死亡者情報が新規登録された旨が自動的に通知される。各関係課は該当者の情報を確認し、必要な手続をアプリに入力する。これにより、遺族が来庁した際に案内しなければならない手続きを集約して把握することが可能となる。

 さらに遺族は事前送付される書類に印刷されたQRコードから訪問予約システムへアクセスし、訪問日時を事前に予約することができる。これにより、窓口と各関係課は来訪に備えた準備をし、スムーズに案内することが可能となる。なお、訪問予約システムについても高山市職員が構築した。

 実証実験を通じて、kintoneで構築したおくやみ窓口システムの利用により大きな業務改善効果があるとの検証結果を得たことから、今年の本運用開始を目指し、業務フローとシステムの調整を行う。職員の業務量については、RPAの導入により効率化を図ることができると考えられる。また、将来ビジョンとしては、kintoneの活用範囲を拡大し、全庁的な業務改善に繋げていく構想があることから、引き続き高山市を支援してこの取り組みの長期的な成功を目指す。