レッドハットは7月14日、NTTドコモがエンドユーザー向けISPサービス提供基盤「CiRCUS」「MAPS」を含むシステムにレッドハットの自動化プラットフォーム「Red Hat Ansible Automation Platform」を導入したと発表した。

Red Hat Ansible Automation PlatformのWebページ

 これによりNTTドコモは、CiRCUS/MAPSで活用している1万機器以上の自動化を図る。同システムでは、22年までにシステムのインフラ開発・運用コストとその作業工数を従来の2分の1に削減することを目指しており、レッドハットはこれを支援していく。

 Red Hat Ansible Automation Platformは、大規模な自動化の仕組みを構築・運用するための拡張可能なエンタープライズ向けのソリューション。サーバー、ネットワーク、ストレージ、クラウド、セキュリティ、アプリケーションの構成管理、プロビジョニング、デプロイなどのあらゆるITプロセスを自動化することができる。

 CiRCUS/MAPSは、NTTドコモが加入者に対して提供している様々なサービスの基盤となる通信プラットフォーム。CiRCUS/MAPSでは、サービス共通基盤として5G時代を迎え多様化するサービスへの追随と、顧客基盤の拡大・成長によって増大するトラフィックの両面に対応するため、システムの柔軟性や拡張性のさらなる向上が求められている。また、NTTドコモは、品質に妥協することなく価格競争力を維持するために、既存の開発・運用コストを抑えることが大きなカギとなっている。

 NTTドコモでは今回、これらの課題を解決するために、Red Hat Ansible Automation Platformの採用を決定した。その拡張性の高さに加え、他社の自動化製品と比較してセットアップが容易であることが、今後の本格導入を見据え大きなポイントとなった。また、NTTドコモは、15年にCiRCUS/MAPSのクラウド基盤としてRed Hat OpenStack Platformを採用し、トータルコストの削減、既存システムとのスムーズな連携を実現している。この実績を通じ、レッドハットのエンタープライズレベルの技術とサポート力を大きく評価しており、Red Hat Ansible Automation Platformの採用でも決め手の一つとなった。

 NTTドコモは、Red Hat Ansible Automation Platformにより、ストレージやサーバー、ネットワーク、OSのセットアップや更新、設計といった作業でインフラ開発の自動化を図る。デリバリースピードの短縮も見込んでおり、Red Hat Ansible Automation Platformによる自動化と社内の制度やプロセスも見直していくことで、今後数年間でデリバリー期間を半分以下に短縮できると試算している。Red Hat Ansible Automation Platformのこうした活用を通じ、NTTドコモはCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ベースのインフラ運用のライフサイクルの実現を図る。21年には今回の投資に対して効果が上回ると見込んでおり、継続的に取り組みを通じて以降のさらなる効果を期待している。

 現在、NTTドコモでは、OSのインストール、仮想マシンの払い出し、アプリのテストからデプロイまでの自動化に向け、手順書であるPlaybookへの落とし込みを進めている。こうした自動化に向けたプロジェクトでは、レッドハットのコンサルタントが方向性を示すとともに、NTTドコモに対して具体的ノウハウを提供している。レッドハットのコンサルタントは、CiRCUS/MAPSで実行していた作業のRed Hat Ansible Automation Platformへの落とし込みをはじめ、実作業を通じて生じる個々の問い合わせに対応し、プロジェクトを通じてスキルの移行を図っている。

 NTTドコモは、同プロジェクトへの取り組みを通じてインフラ開発・運用コストを抑え、今後は競争力強化に向けた投資を拡充していく。新しい技術を積極的に取り入れ、より効率的で高品質なITインフラへと変化させ、ビジネスの変化に柔軟で顧客に安定的にサービスを提供できるプラットフォームへとさらなる強化を図る。レッドハットは、オープンな技術と手法を通じ、NTTドコモが大規模な自動化に関するイノベーションを実現できるよう継続的に支援していく。