ウィズコロナ、アフターコロナの新しい世界で、あらゆる企業に最新デジタル技術を活用した業務プロセスや組織構造、ビジネスモデル、企業文化の変革が迫られている中、週刊BCNは7月15日、緊急オンラインイベント「コロナ・ショック後のパラダイムシフトをどう生き延びるか」を開催した。LIVE配信スタイルのイベントは17日まで3日間、開催している。

週刊BCNが7月15~17日に開催している緊急オンラインイベント

元の世界に戻らない三つの理由

初日のテーマは「デジタルトランスフォーメーション(DX)」で、デジタルトランスフォーメーション研究所 荒瀬光宏社長による「コロナショックで加速するデジタル変革」と題する基調講演で幕を開けた。

 「新型コロナが消滅する時期は誰も予測できない」というWHO(世界保健機関) 緊急事態対応統括のマイケル・ライアン氏の言葉を引用しながら、荒瀬社長は「パンデミックが収束したら、元の世界に戻るのかという議論があるが、われわれはロックダウン、経済再開、感染拡大を繰り返すウィズコロナを過ごさなければならない。21世紀は人類とウイルスとの戦いといわれるように、いつなんどきもパンデミックが発生しておかしくない」と語り、現状の“当面の特例”から“オンライン文化の定着”に移行して、元の世界に戻らないとの見方を示した。
 
初日の基調講演を務めたデジタルトランスフォーメーション研究所の荒瀬光宏社長

 逆戻りできない三つの理由として、(1)今までやってきたことは実は不要だった、(2)課題の解決手段が出現、(3)オンライン化の先の新しい付加価値に気づくーーを挙げた。

 中でも、課題の解決手段については、対面営業などリアルでの接触を増やして顧客からの信頼を勝ち取るという従来手法は制約され、「そのギャップをクラウドのサービスが埋めている」と指摘。オンライン会議ツールやメッセージングサービス、タスクやプロジェクト管理ツール、ナレッジ蓄積ツール、ウェビナー、ファイル共有サービス、スケジューラーなど、用途に応じたさまざまなツールが登場していることを紹介した。

新しい付加価値でDXを推進する

 新しい付加価値では「デジタルで完結する業務は、ログの取得で業務効率やプロセス分析、データドリブンのPDCAなどに生かせる。さらに重要なのは、AIによる業務代替を検討する際の業務の学習データを蓄積できること」と語った。これらの取り組みを推進する中で、デジタル化に対応できる企業と、できない企業で勝ち負けがはっきりしてくる。
 
イベントはLINE配信スタイルで実施された

 具体的な事例として、子どもの学びのオンライン化に取り組んでいる「探求学舎」を紹介。コロナ前は500人だった生徒数が、オンライン化により2000人まで増えた。また、オンラインでの新しい授業にチャット機能やランキング、反応スタンプなど「YouTubeとは違うコミュニケーション」を取り入れたことで、子どもたちが熱狂するような授業の実現や、眠っていた才能の開花につながったという。

 荒瀬社長は、「DXはイノベーションのデジタル化ではなく、イノベーションし続ける組織をつくること。絶対的な解はないが、探し続けていくことが勝ち残るための方法。従来ながらの深海に逃げ込むのか、新しいテリトリーに出ていくのか、組織トップの決断が欠かせない」と、アナログを補完するためのデジタル化ではなく、アナログを包含するデジタル化の新しい領域に踏み出していくとが重要であると述べた。

 ほかにも初日は、SATORI、テリロジー、エレコム、マジックソフトウェア・ジャパンが各セッションに登壇した。

 イベントは16日と17日も続き、そこでのテーマはテレワークとなる。16日はテレワークICT協議会による基調講演を皮切りに、アクロニス・ジャパン、日本ワムネット、ワンビ、IT産業ジャーナリスト兼ITビジネス研究所が講演する。17日は、テレワークマネジメントによる基調講演をはじめ、ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン、パナソニック、Dropbox Japan、ワークスモバイルジャパン、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの担当者が登壇する。