キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS、金澤明社長)は、現場の作業者と遠隔で映像や静止画を共有するサービス「VisualBrain(ビジュアルブレイン)」を7月1日から始めた。映像を共有するモードに加え、静止画をコマ撮りして記録する機能があるのが特徴。視界共有のサービスは業務用のウェアラブル端末やビデオ会議、メッセージアプリなど多数ある状況だが、「カメラの性能をフルに生かした高精細な静止画をコマ撮りで共有するサービスは当社が初めて」(キヤノングループ事業部営業本部商品企画課の古田雅彦氏)と胸を張る。

商品企画課 古田雅彦氏

 「VisualBrain」は、事務所のパソコンと現場のスマートフォンを結んで映像を共有するSaaS方式のサービス。現場作業を手がけるユーザー企業への聞き取りから、「高精細な画像がほしい」というニーズが根強いことが判明したことから、今回の高精細な静止画のコマ撮り共有の仕組みを独自に開発した。

 映像共有の市場を見渡すと、「会話を成り立たせるために音声を優先的に伝達するサービスが多く、映像はそこそこの画質か、不明瞭であることが多い」(古田氏)と分析。手軽に安く使える映像共有サービスと、テレビの生中継のような専用設備による高精細な映像伝送の中間に位置する「いいとこ取りのサービスとして設計した」という。
 
キヤノンのウェアラブルカメラ「MM100-WS」

 映像共有のネットワークにはNTTコミュニケーションズの「SkyWay」を使う。コマ撮りした静止画は、キヤノンITS独自の技術とパブリッククラウドサービスを組み合わせて共有する仕組みとした。携帯電話の電波が届かない場所でも映像や静止画を記録し、パブリッククラウド経由で事後に共有することも可能。作業者が電波の届かない構内で作業することを想定した。

 現場側の端末は、現時点ではiPhoneに対応しており、Androidへの対応も検討中。またキヤノンのウェアラブルカメラ「MM100-WS」(写真参照)とiPhoneとをWi-Fi無線でつなぐことで両手を空けて視界共有がしやすくなる。MM100-WSはろうそく程度の明るさである照度1ルクスでも撮影が可能な高感度センサーを備えており、構内の暗い場所での作業でも使える。

 「VisualBrain」の利用料金はパソコンとスマホの最小構成で、映像と静止画のコマ撮りの2モード対応で月額16万円から。最大5台(例:パソコン2台、スマホ3台)の同時接続まで拡張できる。向こう1年で20ユーザーの獲得を目指す。

 キヤノンITSでは昨年5月にクラウド型AI OCR「CaptureBrain(キャプチャーブレイン)」を開発しており、今回は「Brain」シリーズの第二弾。今後もデータを収集したり変換して分析するのに役立つオリジナルサービスをシリーズ化していくことを検討している。(安藤章司)