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米ガートナー、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」発表

2020/08/20 16:24

 米ガートナーは8月18日(現地時間)、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」を発表した。今回のハイプ・サイクルで取り上げた注目すべき30の先進テクノロジには、コンポーザブル・エンタプライズを実現するもの、テクノロジに対する社会の信頼回復を目指すもの、人間の脳の状態を変化させるものが含まれている。

先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年

 アナリストでバイスプレジデントのブライアン・バーク氏は、「先進テクノロジとは本質的に破壊的なものであり、それらがもたらす競争力は、まだよく知られていないか、市場で証明されていない。ほとんどのテクノロジは、『生産性の安定期』に達するまでに5~10年以上かかるだろう。しかし、このハイプ・サイクルで取り上げたテクノロジの中には短期間で成熟するものもあるため、テクノロジ・イノベーションのリーダーは、特にその影響が革新的または多大なものについて、先進テクノロジの機会を把握する必要がある」と述べている。

 例えば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに関連するヘルス・パスポートとソーシャル・ディスタンシング・テクノロジはいずれも、ハイプ・サイクル上を急速に推移し、多大な影響をもたらしている。ソーシャル・ディスタンシング・テクノロジが位置付けられている地点(「過度な期待」のピーク期)からハイプ・サイクルに初登場するテクノロジの例はほとんどない。しかし、このテクノロジは主にプライバシー上の懸念から、メディアで大きな注目を集めている。

 また、市場への浸透度が対象ユーザーの5~20%のテクノロジが、先進テクノロジのハイプ・サイクルに取り上げられる例もめったにないため、ヘルス・パスポートも例外的なケースとなっている。同テクノロジは、中国(Health Code)とインド(Aarogya Setu)で公共の場所や交通機関を利用するために必須であることから、こうした国では何億もの人々に利用されている。いずれのテクノロジも、2年未満で生産性の安定期に達するものと見込まれている。

 先進テクノロジのハイプ・サイクルは、数あるハイプ・サイクルのなかでも独特のものとなっている。1700を超えるテクノロジを分析したうえで知見を抽出し、20年版では30の先進テクノロジと五つのトレンドとして簡潔にまとめ、提示している。同ハイプ・サイクルでは、今後5~10年にわたり、高度な競争優位性をもたらす可能性が高い一連のテクノロジにとくに注目している。

 なお、五つの先進テクノロジ・トレンドとしては「デジタル・ミー」「コンポジット・アーキテクチャ」「フォーマティブAI」「アルゴリズムによる信頼」「シリコンの先へ」を挙げている。
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