東京証券取引所は10月1日、相場情報の配信システムに不具合が生じたため、終日取引を停止した。終日にわたって取引を停止したのは、99年5月、全面的に取引をシステム化して以来初。東証では不具合の概要について、同日記者説明会を開催した。

東証の全銘柄取引停止を伝える日本取引所グループのWebページ

 東京証券取引所 代表取締役社長の宮原幸一郎氏は説明会の冒頭で「多くの市場参加者や投資家の皆様に多大なるご迷惑をおかけし誠に申し訳ございませんでした」と陳謝。続いて不具合の経緯を説明した。「本日朝7時4分に売買システムのディスク装置の故障が発生したことにともない、相場情報配信業務や売買監視業務に異常が発生した。これにより、株価などの相場情報が正常に配信できなくなった。また、システムの再起動については、それを行った場合、投資家や市場参加者に対し混乱を生じることが想定されたところであり、内外の市場参加者とも協議したところ、『本日再開した場合、十分な顧客対応や円滑な売買の実施が難しい』との要請もあり、終日売買停止することとした」と述べた。

 障害発生の経緯について常務執行役員の横山隆介氏は、「arrowheadは大きく注文売買系のサーバーのつながりと運用系のネットワークに分かれているが、この運用系のネットワークのほうの共有ディスク装置1号機にメモリ故障が発生した。本来であれば、1号機、2号機とで運行しているため、いわゆるフェイルオーバーという形で切り替わるはずだったが、この切り替わりが正常に行われないという事象が発生した。その結果、相場情報を相場ユーザーに配信するためのサーバーである情報配信ゲートウェイの配信処理に異常が発生した。また、取引所側で売買監視をしている売買監視サーバーと監視端末、監視処理に処理異常が発生した。この2つの事象が、もともとの共有ディスク装置の機器故障とうまくフェイルオーバーできなかったことの結果として発生した」と説明した。

 また、「情報配信ゲートウェイから相場情報が配信できなくなったことを受け、売買停止をせざるを得ないという判断のもと、証券会社からの注文経路、つまり情報配信ゲートウェイと相場ユーザーに情報が出ていく部位である参加者ゲートウェイを前場開始前に遮断し、売買を停止するという処理を行った。共有ディスク装置がうまく切り替わらないことについては、本来自動で切り替わるところを強制的に切断して、共有ディスク装置2号機のみで稼働できるという状態ではあったが、全体の状況を見ると、売買を再開するためには、システム再起動を行う必要があると判断した。全体システムの再起動を行った場合には、投資家や市場参加者に相当の混乱が生じることが想定され、また、市場参加者などとの話のなかで、顧客対応、円滑な売買の実施が困難であることから、終日売買停止に至った」としている。

 さらに「今回は、非常にレアなケースではあったが、共有ディスク装置のメモリなどの機器故障の切り替えが正常に行われないということがないように、同故障発生時には、本日行ったような遮断処理と、2号機または2号機から1号機への切り替えが速やかに行われ、売買に影響がないよう、人的に監視をし、強制的に切断をするという態勢を当分の間敷いていく」と述べた。

 なお、翌10月2日には寄り付きから通常通り取引を再開した。