週刊BCNは12月9~11日の3日間でオンラインイベント「BCN Conference 2020 冬」を開催している。ライブ配信スタイルのイベントで、「ニューノーマル時代のITビジネス成長論」と題し、新型コロナ禍における法人向けIT市場の業務プロセスや組織構造、ビジネスモデル、企業文化の変革への取り組みから見えてきた、ビジネスの新たな商機について議論。テーマは12月9日が「デジタルトランスフォーメーション(DX)」、10日が「セキュリティ」、11日が「テレワーク」と分かれており、合計20コマの豊富な講演で活発な議論が展開される。

週刊BCNが12月9~11日に開催しているオンラインイベント

DXの課題はどこにあるのか

 初日の9日は、アプライド・マーケティング代表取締役の大越章司氏による基調講演「コロナ環境下におけるDX推進ビジネスについて」によって開幕した。

 大越氏は冒頭、現状のDXの定義があいまいで、具体的に何をすればいいかわからず、受け取る人によって解釈や認識、評価が異なっている課題や、取り組んでみたものの実案件に結びつないなど「DX疲れ」や「PoC貧乏」といった混乱が生じていることを指摘した。混乱の原因は、デジタルによってサービスやビジネスモデル、企業風土を変革するなど、つかみどころのないイメージが先行していることにあるとした。
 
初日の基調講演で語るアプライド・マーケティング代表取締役の大越章司氏

 また、UberやAirbnbなど、デジタルネイティブのディスラプターに対抗するためにDX化が必要ととなえる風潮にも異議を唱える。なぜなら、デジタルネイティブは既存事業のしがらみがないことから、新しいことが始められるのであって、既存企業はすでに隅々まで業務プロセスが効率化されており、大企業や歴史ある企業ほど、一部だけを変えてもうまくいかないといったことが生じるからだ。同じように真似はできないし、お手本にすべきではないとした。
 
 そこで大越氏は「DXという言葉にとらわれず、個々の顧客の現状に合ったさらなるデジタル化を進めたり、現場を巻き込んだ組織改革を並行して進めることが重要だ」と説く。講演では、既にある設備や人的資源をむしろ差別化要因として活用するアイデアやサービス、デジタル、スピードといったキーワードごとのDX推進などを実際の海外企業の事例を交えながら具体的に分かりやすく説明した。

 また、デジタルによってビジネススピードを最大化するためのポイントや、優れた顧客体験を実現するためのDXの本質、サービス指向の開発プロセスなど、最新のDXに対する見解などを示した。

 初日はほかにも、日本ネクサウェブ、エレコム、SmartHR、豆蔵ホールディングス/ROBON、arcserve Japan、BCNがDXをテーマに講演する。

 10日は、メディアスケッチ代表取締役/サイバー大学専任講師の伊本貴士氏による基調講演「リモート時代のゼロ・トラストネットワーク導入」を皮切りに、キヤノンマーケティングジャパン、インフォセック、Vade Secure/高千穂交易、セキュアワークス、ヴィーム・ソフトウェア、BCNが最新のセキュリティビジネスの動向について講演する。

 最終日の11日は、総務省テレワークマネージャーの家田佳代子氏による基調講演「コロナ環境下におけるテレワーク推進について」をはじめ、Fleekdrive、ネットワールド、富士通、日本HP、BCNがクラウドを活用したテレワーク事例などを解説する。