情報システム構築や電気通信設備工事などを手掛ける日本電通(大阪市、戸谷典嗣社長)は、グループの持つノウハウや技術を集約したサービスづくりに力を入れている。直近のユースケースでは、画像認識エンジンを使い建設現場での安全ベルト着用を判定するシステムを発表(画像参照)。現場の作業員の腰に取り付けた安全ベルトが外れていると警告を発するもので、日本IBMのビジネスパートナーとして培ってきた画像認識エンジン「IBM PowerAI Vision」の利用技術と、電気通信の設備工事のノウハウを事業部門や事業会社の組織の壁を越えて組み合わせた。

右から上浩一郎専務、山口雅也常務

 最新のデジタル技術を活用した業務改革は、オフィス事務から建設現場の作業に至るまで業種・業態に関わりなく進展している。上浩一郎・取締役専務執行役員は、「主要な事業部門のキーパーソンを集めてネットワーク化し、新しい商品やサービスの創出に努めている」とし、その成果の一つとして、安全ベルトの着用をリアルタイムで監視し、転落事故を未然に防ぐユースケースを考案した。ほかにも例えば工場や倉庫の検品、道路の交通量の計測といった応用も進めていく。

 また、コロナ禍によってリモートワークをはじめ業務のオンライン化が進展したが、一方で大企業やデジタル化への意欲が強い企業と、そうでない企業との格差が進んだ。「まずは業務のデジタル化やゼロトラスト・ネットワークといった基礎的なIT環境の見直し」(山口雅也・常務執行役員経営企画部長)を提案。IT格差を縮めるビジネスを手厚くする戦略を推し進めることで、日本電通グループ自身の成長につなげる。
 
安全ベルトのフックを掛けていると緑色の枠で表示し、
外れていると赤色に変色して警告を発する

 日本電通は大阪市に本社を置く全国11社の事業会社からなる企業グループ。昨年度(2020年3月期)の連結売上高は約383億円、売上構成比は電気通信設備関連が全体のおよそ3分の2、情報システム関連が3分の1を占める。連結従業員数は約900人。(安藤章司)