NTTデータは、バチカン図書館と協力しバチカン市国の保有する希少な文化遺産を初めて3Dデジタル化した。

マレーシア博物館で保管される「BELT BUCKLE」

 NTTデータはこれまで、バチカン図書館、秋田県立図書館、高野山大学などの希少な歴史的蔵書を数多く保有する公共機関や企業の2Dのデジタルアーカイブ事業を支援してきた。2020年には、ASEAN事務局が推進するASEAN諸国の貴重な歴史的文化遺産をデジタル化する「ASEAN Cultural Heritage Digital Archive(ACHDA)」プロジェクトで、ASEAN地域全体の文化遺産を集約するデジタルアーカイブシステムを構築して一般公開。このACHDAでは、NTTデータとして初めて3Dでのデジタル化を実現している。

 バチカン図書館とは14年から、バチカン図書館が保有する貴重な手書き文献の長期保存・公開を目的とするデジタルアーカイブソリューション「AMLAD(アムラッド)」を活用した事業に取り組んでいる。これまで手書き文献などを対象とした2次元画像によるデジタルアーカイブに取り組んできたが、バチカン図書館とNTTデータはこの事業と並行してバチカン市国が保有する希少な文化遺産や建造物の3Dデジタル化による保全の検討も進めてきた。

 今回、具体的な取り組みとして歴史的建造物である「Gregorian Tower(またはTower of the Winds)」の3Dスキャンを行いデジタル化を成功した。バチカン図書館と行うデジタルアーカイブ事業として、初めての建造物の3Dスキャン・デジタル化となる。

 精緻なデジタル化によって、災害などによる損傷のリスクにさらされる希少な文化遺産の情報を確実に保全し修復や研究に活用することに加え、XR技術と組み合わせた新たな鑑賞体験が実現できる。今回、デジタル化されたGregorian Towerは10月からUAEドバイで開催されるExpo 2020 Dubaiで公開する。

 NTTデータでは、これまでの2Dデジタル化技術に加え、最新の3Dデジタル化技術を活用し、Gregorian Towerをはじめとする世界の希少な文化遺産や美術品などの保全と、オンラインでの公開やXR技術を組み合わせたさらなる活用を推進する。今後については、NTTグループのXR事業推進の動きと連携し、NTTのVR空間プラットフォーム「DOOR」などを活用したバーチャルミュージアム事業にも取り組んでいく。