データ解析ソフトウェア事業を展開する米パランティアテクノロジーズの日本法人であるパランティアテクノロジーズジャパンは11月12日、記者会見を開き、神奈川県が同社のデータ分析製品「Foundry」を採用したと発表した。神奈川県では、各部門に散在するデータをFoundryで統合、分析し、新型コロナウイルス対策などに活用しているという。
FoundryはSaaSのプラットフォームで、企業が保有する各種データを統合、管理、保護、分析できる製品。楢崎浩一・代表取締役CEOは「一般的なデータ分析ツールは設定など含め利用開始までに数カ月ほど必要なケースもあるが、FoundryはSaaSのため、数週間で利用できる点が支持されている」と述べた。国内の導入実績は非公表だが、グローバルでは25カ国で政府機関や大手企業で利用されているとした。
楢崎浩一 CEO
オンプレミス、クラウドの双方に対応しており、データベースなどに散在しているデータを自動で取り込むことができる。「収集するデータはコピーのため、オリジナルデータを変更することなく細かい分析ができる」(楢崎CEO)としている。
神奈川県の江口清貴・CIO兼CDOはFoundryの採用について「各部門にデータが散在していることが課題となっていた。そのデータを現場に負担をかけることなく、短期間で集約するのに適していたのがFoundryだった」と説明した。導入後1週間で三つのデータベースを、現在では、大小合わせ約50種類のデータを統合し、分析を行っているという。
同県では、新型コロナウイルスの対策としてFoundryの分析結果を活用している。具体的には、陽性者数やワクチン接種率、人流の増加傾向などのデータを網羅的に分析することで、「県内の新型コロナウイルスの現状を多面的に把握できるようになった。今後も政策決定などさまざまな場面で分析データを活用していく」(江口CIO)との方針も説明した。(岩田晃久)