ワークデイは主戦場とする大企業向けの市場に加え、従業員数3500人以下の中堅企業向け市場にターゲットを拡大している。新型コロナ禍で顧客層が広り、さらなる市場機会が見込めると判断した。多くの顧客が共通して使っている機能を事前に設定した導入パッケージ「Workday Launch」を提供し、新たな顧客の獲得を目指す。
正井拓己 社長
同社の正井拓己・エグゼクティブ・プレジデント兼日本担当ゼネラルマネージャー日本法人社長は「この1、2年は成長著しい中堅企業からの引き合いが増えている」と説明し、大企業と同じように、中堅企業の間でも人事や財務の面でデジタルトランフォーメーション(DX)を目指す動きが広がっているとの考えを示す。
既に中堅企業への導入は進んでいるが、その中で同社は「クイックスタートし、プロジェクトを走らせながら改善する方法にしないと、すぐに陳腐化してしまう」(正井社長)という課題に突き当たったという。顧客からのニーズも踏まえ、課題解決のための打ち手としてWorkday Launchを日本市場でも提供することを決めた。
Workday Launchは、主力のHCMなど、各ソリューションについて基本的な機能を事前設定して提供するため、稼働までのスケジュールが短縮できる。中堅企業が導入しやすいように料金体系もパッケージ化した。導入後、必要に応じて機能を追加することもできる。
拡販戦略は、大企業向けのビジネスで協業する既存パートナー経由での販売を想定している。現時点での中堅企業の導入状況は明らかにしていないが、製造業を中心にグローバル展開を視野に入れる企業へのアプローチを強め、今後2年で導入社数を倍増させることを目標に掲げている。
正井社長は「われわれはこれまで、大企業やグローバル企業向けというイメージが強かったが、これからは入り口のハードルを低くして、幅広い層のお客様とともに日本の市場でさらなる成長を実現していきたい」と話す。
(齋藤秀平)