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日本IBM 次世代メインフレーム「z16」を発表 リアルタイムAI推論機能、耐量子暗号システムを装備
2022/04/14 16:00
週刊BCN 2022年04月18日vol.1919掲載
日本IBMは4月6日、次世代メインフレーム「IBM z16」を発表した。AI専用エンジンをチップ状に搭載した「IBM Telumプロセッサー」によって、AI推論の高速化を実現し、大量のトランザクションに対するAI処理を可能とした。本格的な耐量子暗号システムを業界で初めて備え、データを将来にわたって保護する体制も整えた。5月31日の出荷開始を予定する。クラウドシフトの流れが強まる中、同社は堅牢性をはじめとするメインフレームの利点を生かしつつ、クラウドサービスを併用することの強みを訴求し、ITインフラのモダナイゼーションを提案していく。
z16のAI推論は1ミリ秒で実行され、オンチップAIアクセラレーター(AIU)を増やすことで、遅延を起こすことなく処理件数を拡大できる。AIUは最大で32個搭載可能で、最大構成では1日当たり3000億回の推論を実現する。
例えば、金融機関では大量のトランザクションに推論を行うことで不正検知に役立てられる。ローン承認、利率決定などへの適用や、AIを活用したITインフラ運用の自動化「AIOps」への活用も期待できる。
耐量子暗号システムは、米国立標準技術研究所の定義に対応する。同社によると、既存の暗号化技術は量子コンピューターの進歩によって解読されるおそれがある。現段階から耐量子暗号システムによって保護することで、将来的なリスクへ備える。
ハイブリッドクラウドの観点からは、zOSの開発テスト環境をSaaSで提供する「Wazi as a Service」 など、IBMが展開する各種クラウドサービスとの組み合わせの有用性をアピールする。
z16の発表と合わせ、zSystemsユーザーによるアプリケーションやデータなどのモダナイゼーションを支援するため、必要なツール、技術、資料研修などを一括してオンライン上で提供する「IBM Z and Cloudモダナイゼーション共創センター」を開設した。センターに賛同する協業パートナーの勧誘にも乗り出す。
三浦美穂・専務執行役員テクノロジー事業本部長は、メインフレームを活用したハイブリッドクラウドによって、信頼性とスピードを両立させることが顧客の経営課題の解決につながるとの見方を示した。その上で「『メインフレームはレガシーであり、全てクラウドへ行く』ということはIBMでは考えていない」と述べ、今後もメインフレームへ注力していく姿勢をあらためて示した。
(藤岡 堯)
日本IBMは4月6日、次世代メインフレーム「IBM z16」を発表した。AI専用エンジンをチップ状に搭載した「IBM Telumプロセッサー」によって、AI推論の高速化を実現し、大量のトランザクションに対するAI処理を可能とした。本格的な耐量子暗号システムを業界で初めて備え、データを将来にわたって保護する体制も整えた。5月31日の出荷開始を予定する。クラウドシフトの流れが強まる中、同社は堅牢性をはじめとするメインフレームの利点を生かしつつ、クラウドサービスを併用することの強みを訴求し、ITインフラのモダナイゼーションを提案していく。
z16のAI推論は1ミリ秒で実行され、オンチップAIアクセラレーター(AIU)を増やすことで、遅延を起こすことなく処理件数を拡大できる。AIUは最大で32個搭載可能で、最大構成では1日当たり3000億回の推論を実現する。
例えば、金融機関では大量のトランザクションに推論を行うことで不正検知に役立てられる。ローン承認、利率決定などへの適用や、AIを活用したITインフラ運用の自動化「AIOps」への活用も期待できる。
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