豪Atlassian(アトラシアン)は11月17日に都内でメディア・ラウンドテーブルを開催した。最新製品であるチームワークディレクトリツール「Atlas」と五つのツールを利用できるサブスクリプションライセンス「ATLASSIAN Together」を紹介した。
来日したキャメロン・ディーチ・CRO
Atlasは組織を横断して社内で進行しているプロジェクトの状況を把握するためのチームワークディレクトリツール。サードパーティーアプリの情報をダッシュボードに埋め込むことが可能で、同一のプラットフォーム上であらゆる情報を一覧できるのが強みだ。スタンダードエディションは無償で提供。より高度な機能が使える有償版も用意する。
ATLASSIAN Togetherは同社が展開する「Trello」「Confluence」「Jira Work Management」「Atlas」「Atlassian Access」をまとめて利用できるサブスクリプションライセンス。現在はベータ版として提供している。正式版は今後、提供を始める予定で、月額料金は11米ドル/ 1ユーザーとなる見通し。
来日したキャメロン・ディーチ・CRO(最高収益責任者)は「これまで製品のプロバイダーとして事業を拡大してきたが、今後はプラットフォーマーに転換し、100億ドルの売り上げを目指す」とコメント。また、日本市場については「プロダクトからサポート、営業体制まで完全にローカライゼーションを行った世界で唯一の地域。成長はグローバル平均を上回っている」と期待した。
同社の成長を支えているのが顧客体験を軸にディストリビューションサイクルを構築する「フライホイールアプローチ」だ。高品質のプロダクトを顧客の口コミで広げることで、営業・マーケティングに要するリソースを抑え、研究開発に注力できる体制を整えている。
ただ、複雑なニーズをもつ顧客も存在するため、手厚くサポートを受けることができる選択肢としてパートナー戦略を強化。単に販売を委託するのではなく、セールスマーケティング担当者とパートナー企業が一体となり、環境整備やクラウド移行も含めた支援を行っている。現在、世界中で700社以上と連携しており、日本においても拡大を図る考えだ。
同社はプロジェクト管理ツール「Jira」やコラボレーションツール「Confluence」などを展開する。今年5月に創業20周年を迎えた。直近10年は大きく成長しており、2022年度(22年6月期)の売上高は約30億ドル(12年は約1億ドル)となっている。日本では13年に事業を開始した。(大蔵大輔)